【昭和~平成スター列伝】頸髄完全損傷でリハビリ中の帝王・高山善廣の支援大会「TAKAYAMANIA EMPIRE Ⅳ」(9月3日、東京・後楽園ホール)の開催が決まった。メインイベントのタッグ戦には盟友・鈴木みのる、AEWの柴田勝頼、ノアの丸藤正道とKENTAが出場するなど豪華な顔ぶれが揃った。組み合わせについては、当日に来場予定の高山の独断で決まる。

 髙山が歩んできた足跡はまさに“プロレス界の帝王”そのものだった。2009年には日本国内3大メジャー団体(新日本、全日本、ノア)のヘビー級シングル王座とタッグタイトルを獲得してメジャー完全制覇を達成。東京スポーツ新聞社制定「プロレス大賞」では03年にMVP、02年と07年にはベストバウトも獲得した。

 プロレス以外でも総合格闘技に進出。特に「PRIDE.21」(02年6月23日、さいたまスーパーアリーナ)のドン・フライ戦は壮絶な顔面の殴り合いで、今でも伝説の名勝負として語り継がれている。

「PRIDE史上、いや日本格闘技史上に残る壮絶な殴り合いによる“決闘”は、フライが高山をマウントパンチの連打でTKO勝ちした。この2人にしかできない男と男の果たし合いだった。マーク・コールマンの負傷欠場を受けて、急きょ出場オファーを受けた高山は、ノーフィアーの異名に偽りなく出陣を快諾。ゴングが鳴ると両者はリング中央に突進して激しい顔面パンチの応酬。長いリーチを振り回す高山。ボクシング経験のあるフライは至近距離からのパンチ。見る見るうちに高山の顔面は腫れ上がったが一歩も引かない。長いリーチを生かしてムエタイ式の首相撲からヒザ蹴りを連打。フロントスープレックスを狙ったが、フライは間一髪で押し潰してギロチンチョーク。高山の顔面に左右の連打を叩き込む。リスキーな果たし合いによる生命の危機を感じとったレフェリーが即座に試合をストップ。1R6分10秒、世紀の血闘はフライに軍配が上がった。敗れた高山はザックリと割れた右まぶたから“血の涙”を流したが、勝ったフライ以上に「闘魂」を見せつけ、場内からいつまでも称賛の嵐は止まなかった」(抜粋)

 誰もが胸を打たれた激闘だった。敗れこそしたが、高山はこの一戦でさらに名声を上げた。その後にプロレス界に戻ると、マット界に再び巨大な存在として君臨することになる。

 今回の「TAKAYAMANIA」にも盟友・みのるを筆頭にかつて激闘を繰り広げたトップ選手が集結する。これも高山の人柄と大きな功績があるからにほかならない。ケガと闘い続ける高山は永遠にプロレス界の「怪物」であり「帝王」であり続ける。(敬称略)