阪神は8日の広島戦(マツダ)に6―1で完勝し、2年ぶりとなる今季最長の9連勝。2位・新井鯉を投打で寄せつけず、ゲーム差を今季最大の7・5にまで広げた。本紙評論家の伊勢孝夫氏は「現在のセ上位球団には、阪神包囲網を形成する余力すらない」と断じた上で、1965年に川上哲治監督が率いた巨人以来となる「シーズン90勝到達もあり得る」との見立てを示した。
【新IDアナライザー・伊勢孝夫】圧倒的な強さだ。「1・92」という驚異的なチーム防御率に象徴されるように、先発投手とリリーフ陣の顔ぶれは質量ともに大充実。近本、中野、森下、佐藤輝らの上位打撃陣は年齢的にも脂が乗り切っているうえに、ここまで不振に苦しんできた大山にまで当たりが戻ってきた。チーム盗塁数69(セ1位)、総失策数32(同最少)と守備走塁面にもスキがない。
1985年、2003年、05年、23年の歴代優勝チームと比較しても、投打の総合力とバランスを勘案すれば間違いなく今年のチームが史上最強だ。後は主力に故障離脱者が発生せぬよう、選手たちのコンディションのみを慎重に見守っていけばいい。
伝統的にスモールベースボールにたけた広島も、この日は阪神の横綱相撲を前に「次の塁を狙う」本来の野球を全く展開できなかった。主力打者の不在に苦しむ巨人やDeNAにも、もはや〝阪神包囲網〟を形成するような余力はなく、今後はクライマックスシリーズ進出圏内を確保するための戦いにシフトしていくだろう。「阪神が失速する」というシナリオの余地はますます小さくなっていく。
セ・リーグとしては65年の川上巨人(91勝)以来となる90勝到達も現実味を帯びてきた。そのために必要なシーズン勝率は6割4分弱。星野仙一政権下でリーグ制覇を果たした03年の6割3分0厘を超える球団史上最高勝率となる見込みだが、十分に達成可能な数字だろう。まさに「史上最強の虎」だ。(本紙評論家)












