中日のドラフト1位ルーキー・金丸夢斗投手(22)が8日の巨人戦(山形)に先発し、プロ初勝利の権利を手にしながらチームが4―5で逆転サヨナラ負け。7度目の登板でも記念星はすり抜けていった。

 最後はただぼう然とグラウンドを見つめるしかなかった。2点リードの9回から登板した清水が一死後に代打・佐々木、岸田に連打を許すと、代打・中山の適時打で1点差に詰め寄られた。なおも一、二塁のピンチで丸に右中間を真っ二つに破る走者一掃の二塁打を浴び、土壇場の4連打で試合をひっくり返された。

 金丸にとってはジェットコースターのような登板だったに違いない。7回まで107球を投げ、2失点でまとめた左腕は、ベンチに戻ると同点にもかかわらず敗戦投手のように悔しさをあらわにした。イニングの先頭打者・泉口に投じたカットボールが高めに入り、右翼ポール際に叩き込まれて2―2に追いつかれた。試合が振り出しに戻り、勝利投手の権利も消滅した…かに思われた。

 だが、8回の攻撃をベンチから見守っていると、二死無走者から上林が右翼席後方へ特大の勝ち越しソロ。すっかり表情を失っていた金丸にも笑顔が戻り、再び勝利投手の権利が復活した。味方打線は9回にも1点を追加。あとは逃げ切るだけだったのだが…。

 金丸は前回登板した1日のDeNA戦(横浜)までの6試合ですべて6回以上を投げてきた。最大の失点も4点で安定した投球を続けてきたが、ことごとく援護点に恵まれなかった。最高は2点で1点が3試合、0点が2試合と窮屈な投球を余儀なくされてきた。だが、上林の一発で今季最多の3点が舞い込み、ゲームセットを待つばかりだった。

 降板後の金丸は「打たれてしまっている時はカウントを悪くしてしまっているので反省したい」と課題を口にしつつ「その中で最少失点で粘れたことはよかったと思います」と収穫も挙げていた。初勝利を手にする日まで我慢強く腕を振り続けるしかない。