未完の大器が大ピンチだ。西武から金銭トレードで加入した中日・佐藤龍世内野手(28)が17日に一軍登録され、同日のオリックス戦(バンテリン)に「5番・三塁」でスタメン出場。チームが3―5で敗れた中、自身は新天地でのデビュー戦で2打数1安打1打点と存在感を示した。

 窮地に立たされたのが、代わりに今季2度目の二軍降格となった中日・石川昂弥内野手(23)だ。5月31日に一軍に再昇格したものの、復帰後は18打数1安打とスランプ状態に陥っていた。

 井上一樹監督(53)は石川昂に「体格がいい、スイングが速い、ホームランを打てるっていうようなものを求められているのに、試合になったら何でそこまで振れないの? 何でそんなに遅れるの? 何で詰まるの?っていうことを考えないと」と厳しい表情。その後も「俺らがいろんなことを言うたとて、あいつがやるかやらないかの話だから。もちろん期待はある。これからも期待するけども、今のままでは置いておけないよという形で、佐藤龍世と代えたという話です」と鋭く舌鋒を向けた。

 開幕4番を務めた長距離砲は明らかに試練の時を迎えている。果たしてここから巻き返すためには、どうすればいいのか。中日OBで元打撃コーチの宇野勝氏は「いろんな面で迷ってるよ。だから一回リセットしないといけない。今まで指導してくれた人の言葉がいっぱい頭の中に入っているから、それをズバッと取り除いてもう一回自分の打ちたいやり方をやらないと無理なんじゃないかなと思う」と指摘。さらに「二軍でゲームに出るときは誰かに言われたことではなくて、自分が思ったことをやってほしい。ファームで1か月とか考えていたらシーズンは終わってしまう。一度リセットしてファームで結果を出して早く上がってきてほしい」と〝オレ流〟を貫いて再出発することを求めた。

 期待値が高いからこそ、石川昂に対して宇野氏は「打球を遠くに飛ばせることはやはり魅力。彼が出てきてやらないとドラゴンズじゃない。みんなが待っている」と期待している。ここまで打率1割3分2厘、0本塁打、4打点と苦しんでいるが竜の背番号25が二軍でリセットし、新たな姿を見せることができるか――。