新日本プロレスの特別興行「デス・ペイン・インビタショナル」(24日、後楽園)で、IWGPジュニアヘビー級王者エル・デスペラードが葛西純(50)の挑戦を退け6回目の防衛に成功した。デスマッチのカリスマとの王座戦には周囲から賛否の声もあったが、デスペラードも譲れないこだわりがあった。葛西への特別な思いと、自身が目指す王者像とは――。

「蛍光灯&ガラスボード+αデスマッチ」は、互いの死力を尽くした大激闘となった。特大ラダーからのパールハーバースプラッシュ・オン・蛍光灯を浴びるなど葛西の猛攻にさらされながらも、垂直落下式リバースタイガードライバーからのピンチェ・ロコで激勝。葛西からの10年後の再戦提案にも応じ「死と痛みの祭典」は大団円で幕を閉じた。

賛否が分かれたデスマッチ王座戦。デスペラードは「想定内」
賛否が分かれたデスマッチ王座戦。デスペラードは「想定内」

 V7戦では「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア(BOSJ)」覇者の藤田晃生との激突が決定的だが、今回の王座戦は各所で賛否を呼んでいた。藤田が挑戦を〝待つ〟という決断の上で実現した経緯もあったため獣神サンダー・ライガーからは「優勝者にそんなことを言わせちゃダメ」「ちょっと手を広げ過ぎなんじゃないか」と否定的な見解も示されていた。

 これにデスペラードは「正直に言うと、ぐうの音も出ないよ。でも(葛西に)負けたままでいられるかと。手を広げ過ぎって言っても、広げた風呂敷はたたまなきゃダメでしょ」と主張。「藤田のことを見てないわけでもないし、BOSJも全部本気で戦ってきた。でも葛西純の方を見ていると思わせたのは申し訳ない。恩返しは何らかの形で必ずする」と、待たせた借りは頂上決戦のリング上で返すつもりだ。

 加えて一部からはデスマッチ形式でIWGPジュニア戦が行われることへの否定的見解もあった。これに関しては賛否両論を呼ぶことはデスペラードも「想定内」。それでも主張を貫き通した理由を「ただ対戦した試合結果というだけでなく、新日本の歴史の中に葛西純という名前をどうしても残したかった」と説明した。

 2019年5月のタカタイチマニア(後楽園)での初対決から数々の激闘を繰り広げてきた葛西は、互いにリスペクトを公言する特別すぎる存在だ。「鈴木みのるがいて、金丸(義信)さんがいて、石井(智宏)さんがいて…俺がいろんな影響を受けた人、みんな新日本プロレスの歴史に名前残してんだよね。でもすごく影響を受けた葛西純の名前は、このままだと残らない。タイトルマッチをやることで新日本プロレスの歴史にちゃんと葛西純の名前を刻み付けたかった」と言い切った。

 結果的にIWGPジュニア史に残る防衛ロードを歩んでいる格好だが、デスペラードとしては狙って意図したものではないという。「やりたいことをやってるだけで。いろいろなところがザワつくことやったけど、別に『IWGPかけてデスマッチやってやるぜ』ってとこに重きはないんだよ。唯一こうありたいなっていうのは、周りに迷惑をかけながらも、こうしていろいろなことをやらしてもらえてるわけだけど『コイツがベルト持っていると面白えよな』『なんか普通じゃないよな』って言われるレスラーではありたいよね」。ならず者による波瀾万丈な政権はまだまだ続く。