MLB(メジャーリーグ機構)側も、相当に神経をとがらせていたようだ。19日(日本時間20日)にドジャースタジアムで行われたドジャース対パドレス戦で、パドレスのフェルナンド・タティスJr.外野手(26)が同カード2度目の死球を受けたことをきっかけに、両軍ベンチの間で乱闘騒ぎがぼっ発。もみ合いの末、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督(53)とパドレスのマイク・シルト監督(56)が退場処分を受け、MLBから翌20日(同21日)の試合出場停止処分が科された。
 
 驚きは、その「裏側」にもあった。元メジャー捕手のA・J・ピアジンスキー氏(48)が、自身のポッドキャスト番組「ファウル・テリトリー」で明かしたところによれば、シルト監督は出場停止中、球場内のオフィスに〝隔離〟され、MLB職員が終始付きまとうかなり厳しい監視措置を受けていたという。

「電話やダッグアウトとの連絡を絶つため、MLBの職員が常にシルト監督のそばにいた。トイレに行く際も同行し、付き添いがあった」とピアジンスキー氏。まさに〝完全監視体制〟の中で、シルト監督はテレビ観戦するしかなかった。

 この日の試合におけるシルト監督不在の影響は如実に表れ、パドレスはロイヤルズとの接戦を5対6で落とした。通算勝率5割6分2厘を誇る名将の存在の大きさを改めて浮き彫りにした格好だ。

 シルト監督は「愛する選手、愛する球団のために立ち上がったことに後悔はない」と語っているが、ドジャースとの〝因縁〟は今後もくすぶり続けそうな気配。なお、指揮官のベンチ復帰後はチームも持ち直し、ロイヤルズとの同カードに連勝で勝ち越し。だが、23日(同24日)のナショナルズ戦はカード初戦で6―10と敗れている。

 大谷翔平投手(30)も死球を受けるなど、19日のドジャース対パドレス戦は両軍の間に大きな禍根を残した。選手の安全と規律を、どう両立させるか。管轄するMLBの運営姿勢も問われつつある。