虎党が詰めかけた右翼スタンドから大きなため息が漏れた。阪神は11日の西武戦(ベルーナ)に2―3で、痛恨の逆転負け。今季初先発となった伊藤将が8回途中無失点の好投を見せたが、リリーフ陣が踏ん張り切れず、二夜連続の逆転負けを喫した。

 藤川球児監督(44)は、「(伊藤将は)いけるところまでいってくれて、及川につないで、最後そこでというところですけど。一つの試練が来たのかなと。またみんなで立ち上がってやってやろうかなと思いますね」と必死に前を向いた。

 直前に佐藤輝の18号ソロが飛び出し、2点リードで迎えた9回だった。試合前まで防御率0・00と抜群の安定感を誇っていた湯浅京己投手(25)が、今季初めてのセーブシチュエーションでマウンドへ。

 先頭の2番・滝沢を見逃し三振に仕留めて流れに乗ったかと思われたが、突如制球が乱れた。3番・セデーニョに四球、続く4番・ネビンに対しては初球の変化球がすっぽ抜けて死球。思わず苦笑いを浮かべた右腕は、5番・外崎に三塁内野安打を許して、一死満塁のピンチを背負った。

 ここで藤川監督は交代を告げ、5月30日の広島戦(広島)以来の登板となる岩崎優投手(33)が、後を継いだ。ベンチでは伊藤将も祈るような表情で見守ったが、6番・源田にスライダーを右翼線に運ばれて2点を献上。勝利まであと二死のところで試合を振り出しに戻された。

 さらには二死満塁となり、9番に入ったプロ20年目のベテラン炭谷に143キロの直球を捉えられ、痛恨の右前サヨナラ打を浴びた。虎党の悲鳴と獅子党の大歓声が入り乱れる中、左腕は悔しそうな表情を浮かべながら一塁ベンチへ引き上げた。

 試合後、湯浅は「チームと将司さんに申し訳ないです」と言葉少なに球場を後にし、岩崎はピンチでの登板となったが「全部台無しにしてしまって。一球も狙ったところにいってないですから、自分のせいです」と責任を一身に背負った。

 前日11日も2点リードの8回に3番手・桐敷が5安打を浴びて4点を失い、逆転負け。さらには、無双右腕・石井が6日のオリックス戦で側頭部に打球を受けて自宅療養中、石黒も脇腹筋損傷のため9日に抹消となるなど、苦しい台所事情となっている。

 指揮官は「湯浅から岩崎にとは考えていましたが、岩崎も登板が開いていましたので、そういった意味で湯浅からですけど。ブルペンのところをかみ合わせていく、それに尽きますね」と話し、球場を引き上げた。