〝二足のわらじ〟で活動するトップランナーが目指すものとは――。3月の東京マラソンで男子の日本人トップとなる10位に躍進した市山翼(29=サンベルクス)が、本紙の単独インタビューに応じた。普段はスーパーマーケット勤務をこなしながら、ランナーとしてのトレーニングも重ね着実に力をつけてきた。現在はPUMA(プーマ)契約アスリートとしてサポートを受け、さらなる飛躍を狙う。話題となったスーパー勤務を続ける思いや、今後の目標などを熱く語った。
――東京マラソンから職場で変化はあったか
市山 仕事中に声をかけられたり、従業員の方々にもサインを求められたり、(勤務先に)お手紙が届きました。こうして日本人首位という実感が湧きました。
――走りながらスーパーでも勤務。やりがいは
市山 走るときは苦しい練習を頑張り、結果が出たとき。仕事では(他の従業員より)働く時間が短いので、いかにその方々の助けになるか、どれだけ(従業員に)お礼を言われたり、仕事を教えられるかというサポートが一番のやりがいです。
――仕事とレースの心構えは
市山 仕事の方が自分だけではないという意識でより集中します。自分が頑張ることで、他人が楽できたらと思います。試合は「強い選手と走れる。やったー」という気持ちで入り、勝負するときに集中力が最大になればいいと思っています。
――陸上競技を続けられる原動力は
市山 一番近くで喜んでくれる家族の存在です。胸を張って「これがうちの旦那だ、父親だ」と言われるような活躍をしなければと思います。
――中央学院大時代は箱根駅伝も経験した。大学で競技を止める選手も多いが、実業団を選んだ理由は
市山 箱根駅伝が自分の大きな目標ではなかった。また、長く続けた陸上を生かして就職すれば積み重ねをつなげられると思いました。
――その大きな目標とは
市山 ずっと陸上を始めてから「ランナーの目標になる選手になること」が、一番の自分の目標。ゴールが見えない目標なので、いつかそれが終わりだと、自分で思うときが目標の達成だと思います。
――今後に向けて
市山 今年のベルリンマラソン(9月)で日本記録更新。2時間4分30秒で走ることです。
☆いちやま・つばさ 1996年4月8日生まれ。埼玉県出身。中央学院大では3年時に箱根駅伝で2区を走るなど活躍。卒業後は埼玉医大グループ、小森コーポレーションを経て、2023年4月にサンベルクスへ移籍した。21年びわ湖毎日マラソンで2時間7分41秒をマークして脚光を浴び、25年東京マラソンでは自己ベストとなる2時間6分0秒を叩き出した。所属先が展開するスーパーマーケット「ベルクス」草加青柳店のグロサリー部で週4日ほど勤務。167センチ。












