広島は30日の阪神戦(マツダ)に守備の乱れから失点し、2―5で惜敗。同点の5回一、三塁の場面で飛球を追いかけた左翼手のファビアンと遊撃手の矢野が激突して捕球できず、2者に生還された。結果的に適時失策で決勝点を献上した新井貴浩監督(48)は「誰も責めることはできないよね、あそこは」と語るにとどめた。

 とはいえ3、4月は12勝12敗1分けだったチームは5月は12勝9敗ですでに月間勝ち越しを決めている。何が上積みにつながったのか。新井監督に聞くと「主力が戻ってきて、チームが形になってきた。特に野手の試合中の役割が明確になってきた。適材適所での役割分担できている」と明かす。

 春季キャンプ中に故障離脱した正捕手の坂倉をはじめ、開幕直後に戦列を離れた秋山、モンテロらが続々と復帰。戦力として計算していたメンバーが安定した働きを続けていることが大きいようだ。

 打順も今月4日以降は1番が秋山か中村奨か野間、3~5番の中軸はファビアン、末包、坂倉で固定。6、7番はモンテロと小園、その前後の2、8番を菊池や矢野など小技もできるメンバーが脇を固めている。そのため野手の入れ替えも13日に秋山とモンテロが昇格して以降は、20日にドラフト1位ルーキー・佐々木と上本の2人が二軍から上がってきただけだ。

 新井監督は「やっぱり戦っていく上で、最終的に勝たないといけない。勝つために試合中の選手の役割分担が明確になって、選手も力を発揮しやすいというか。1つのピースとして、出番に向けて準備しやすくなっている部分はあると思う。チームとしても、今はそこは機能している部分だと思う」と手応えを口にする。

 各選手の働き場が定まってきたことで、誰をどこでどう使うかも明確になりつつある。昨季は9月に大失速して4位に沈んだ。勝負どころとなるシーズン後半へ、5月の時点である程度の輪郭が見えてきたことは新井鯉にとって大収穫といえそうだ。