広島は28日の巨人戦(金沢)に1―4で敗れ、3位に後退した。チームではこれから本格化する暑さへの対策として、本拠地のマツダスタジアムの試合前練習では選手に限って〝軽装スタイル〟が解禁された。だが、ビジターでは従来と変わらずご法度。新井貴浩監督(48)の意向が強く反映されているというが、その思いとは――。

 初回がすべてだった。幸先よく1点を先制したものの、先発した大瀬良が増田陸、キャベッジにソロを被弾。6回まで2失点で踏ん張ったが、7回に救援陣が崩れて勝負あった。試合後の新井監督は「(大瀬良は)立ち上がりね。まあ、でも中5日で粘って投げてくれた」と悲観することなく目線を上げた。

 今月はここまで12勝8敗1分けでチーム状態は安定。本拠地が屋外球場とあって、先々の戦いを見据えて暑さへの備えにも本腰を入れ始めている。マツダでは試合前の練習で疲労軽減と快適性を重視し、予定を前倒しして20日から「短パン」での練習を解禁。試合用の長ズボンを着用しない軽装での練習は多くのナインから好評を得ている。
 ところが、これはあくまでもホーム限定の措置。ビジターでは気象条件にかかわらず〝正装〟で臨むことが決定している。そこには鯉将の意向が色濃く反映されている。

 球団関係者によると、新井監督は「何でもかんでも自由にして、快適さだけを求めていてはダメ。うまくもなれないし、強くもなれない」と話しているという。実際、ホームであっても短パンが許されるのは選手とスタッフだけ。監督をはじめ各部門の管理職に当たるコーチ陣は、ナインの模範となるべく「短パンNG」となっている。

 さらに、ファンの目も理由の一つだという。

「ビジターで練習する時間は、どの球場も開門する。お客さんは選手を見に来ている。選手はちゃんと自分の背番号が入ったものを着て、試合と同様の姿で本番に備える姿を見せる必要がある。そこで自分たちが『楽をしたいから』は通らない」(同)

 DeNAや巨人など敵地でも軽装で練習に臨めるチームもある。しかし「ヨソはヨソ。ウチはウチ」というのが新井監督の考え方だ。

 あらゆる情報を手軽に入手できる時代になっても、新井監督は「ワシは一本気な昭和男じゃけえの」とSNSやインターネットを見ることは一切ない。携帯電話もスマホではなく、ガラケーを使う〝超アナログ派〟だ。締めるところは締める。球界の伝統を次世代に引き継ぐことも重要な任務と考えているようだ。