大学の造園学科出身という異色の経歴を持つ左腕がプロの世界で奮闘している。2022年育成ドラフト8位でソフトバンクに入団した宮崎颯投手(24)だ。入団直後にトミー・ジョン手術を受けた左腕は昨年6月に実戦復帰。ケガを乗り越え支配下登録を目指している。東京農大出身で趣味は剪定という変わり種の胸中を直撃した。

 ──ここまでの手応えは

 宮崎 去年はリハビリスタートだったので、それに比べればだいぶいいスタートが切れている。体の痛みが何もなくスタートできて何試合も投げられていることがまずは順調だなと。その上で、結果がついてきてくれているところもあるので、もっと上を見て頑張っていきたいと思います。

 ──持ち前の真っすぐへの手応え

 宮崎 一番自信があるのは真っすぐなので。目標はわかってても打たれない真っすぐ。去年までは三、四軍の試合ばかりでNPBの打者相手に投げることはほぼなかったので。今シーズンから選手相手に投げて、差し込んだり、勝負できているっていうのは自信になります。

 ──真っすぐはいつ頃から自分の武器だなと感じた

 宮崎 中学生の時からなんですけど。中学生の時は武器というか、真っすぐしか投げれなかった。変化球があんまり得意じゃなかったので。その名残でずっと真っすぐばかり投げていた。

 ──高校では故障もあり外野手になって、大学で投手に再転向。迷いはなかったか

 宮崎 全くなかった。もう一回マウンドに戻りたいっていう意志が強かったので。大学進学の時も投手で面倒を見てくれる学校を探して東農大に行く形になった。高校で外野を守っていた時もマウンドを見て「いいな、あそこで投げたいな」と思っていた。

 ──それだけ投手への思いがあると、プロでのリハビリ期間はつらかった

 宮崎 そうですね、1日が1日以上に感じてました。まだ半日しかたってないみたいな。耐えていたというか当時は全部ため込んでしまっていてつらかった。ただ、少しずつ野球ができるようになって復帰が近づいてきたら気持ちも変わってきた。

 ──今は時間が過ぎるのが早い

 宮崎 そうですね。「あっという間に夕方じゃん」って。野球ができるのが楽しい。だからこそ逆に1日1日を本当に無駄にせず自分でやるべきことを考えて、まずは支配下を目標に、そこに一歩でも近づけるように、無駄にせずやることをやるっていうのは今でも継続してやってます。

 ──今年は打者との対峙ができている

 宮崎 去年までは打者を見れてなかったのが事実。自分の中でパニック状態みたいな感じで投げ続けていたので。今はすごく冷静になって視野が広がった、まだまだ足りないんですけど。今の球に打者はこういう反応したんだとか、そういうのまで見れるようになったのは成長だと感じてます。

 ──大学時代に使っていなかったチェンジアップも有効に。誰かからアドバイスなどはあったのか

 宮崎 握りは正直、田浦さんとかいろんな人に聞いたんですけど、僕すごく不器用でもうわけわかんなくて、すごく難しかったんですよ。そんな時にたまたま本屋さんで、野球雑誌を立ち読みしていたときに(元ホークス)杉内(俊哉=現巨人投手チーフコーチ)さんのチェンジアップの握りが載っていて「投げれるんじゃないか」と思って投げてみたら、しっくりきた。自分の腕の振りに対して、無理して投げようとしなくても投げれてる感覚だったんで、これでいこうと。

 ──杉内さんから間接的に

 宮崎 そうです(笑い)。

 ──今年一年の目標は

 宮崎 僕は毎年そういうのを年始に決めてて、今年は「大どんでん返し」って言葉をグローブに入れている。プロ1年目からトミー・ジョンをして出遅れてるので、全てをまくるっていう意味を込めて、そういう一年にしたいと思って、日々練習してます。

 ──支配下、一軍の舞台へ

 宮崎 オープン戦で一軍の試合に参加した時に、投げられなかったのがすごく悔しかった。僕の中で次は戦力としてこのマウンドに戻ってくる、自分の中で絶対戻るっていうのがあった。そこに向けて、まずは支配下ですけど、やれることをしっかりやっていきたいです。

 ☆みやざき・はやと 2000年6月14日生まれ 埼玉県上尾市出身。左投げ左打ち、投手。背番号165。身長180センチ、体重93キロ。埼玉栄高ではヒジを痛め外野手に転向。東京農大で投手再転向を果たすと、力強い真っすぐでスカウト陣からの評価を高めた。22年育成ドラフト8位でホークスに入団。23年1月にトミー・ジョン手術を受け、24年に非公式戦で実戦登板を果たした。特技は大学の造園学科で身につけた剪定。今季は二軍でアピールを続け、7登板で0勝1敗、防御率2・53(5月4日時点)。