アジアチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)準決勝(30日=日本時間1日、サウジアラビア・ジッダ)、J1川崎はアルナスル(サウジアラビア)に3―2で勝利し、クラブ初の決勝進出を決めた。試合後に涙を浮かべたポルトガル代表FWクリスチアーノ・ロナウド(40)ら年俸総額約500億円のスター軍団を相手に会心のパフォーマンスを披露。優勝賞金1000万ドル(約14億2000万円)をかけて決勝(3日=同4日)でアルアハリ(サウジアラビア)と対戦する。
会心の勝利だった。川崎は3―2とリードして迎えた後半アディショナルタイムに猛攻を受けながらも、体を張ったプレーで得点を阻止。戦前の下馬評を覆し、スター軍団を相手に勝利した。長谷部茂利監督は「始まる前から難しい、始まっても難しい。最後は危ない流れではありましたけど、選手たちがわかっていたからうまくゲームクローズできた」と興奮気味に語った。
川崎は前半10分に海外帰りのFW伊藤達哉がこぼれ球に反応し、ボレー弾で先制。28分にセネガル代表FWサディオ・マネに同点弾を許すも41分にはMF大関友翔が追加点を決め、後半31分に元日本代表MF家長昭博がゴールを決めた。しかし42分に1点差に詰め寄られると、最終盤にC・ロナウドを中心とするアルナスルの猛攻を受けた。
アディショナルタイムの46分にはゴール前でFKを与えるもC・ロナウドのキックは壁に当たり、ピンチをしのぐと48分に再びFKの窮地。スター選手のキックは壁の下を抜けてゴールに迫ったが、GK山口瑠伊が足でファインセーブ。50分にはC・ロナウドのミドルシュートをGKが防ぎ、その直後にロングパスからC・ロナウドにゴール前へ抜け出されるもDF佐々木旭が飛び込んでブロックした。
完封された世界的ストライカーは試合後、天を見上げて首を小さく左右に振ると、両手で顔を覆って涙するなど、まさかの敗戦に悔しさをにじませていた。
この試合でプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選出された伊藤は「すごいタフなゲームだったんですけどチーム全員が一丸となって、ファンも含めて戦い切れたのが良かった」とし、勝利の要因について「相手に強力な選手がいるのでボールを握ってカウンターをくらうよりも、少ない枚数でリスク管理しながら攻めるのは狙いの一つでした」と話し、チームの戦略が奏功したという。
日本代表DF高井幸大は「前線の選手が点を取ってくれて、2失点しましたけど勝てて良かったです」とし「正直、個のところではチーム全員負けていましたけど、日本人として組織的な戦い方で勝てたと思うし、次も素晴らしい選手がいるのでアジリティー(瞬発力)やチームワークで上回りたい」と語った。
試合を中継した「DAZN」で解説を務めた元日本代表MF水沼貴史氏は「一人ひとりが自分の役割を果たした」とし「ある程度、守備しながら前線からのプレスをかけるなど、しっかりとポジショニングをとりながらくさびの選手にボールを入れるなど、ちょっとしたところを丁寧にやり続けた結果だと思う」とファイナル進出の要因を指摘していた。
決勝では強豪アルアハリと対戦する。高井は「ここまで来たからには気持ちだけ。あと1センチ、あと1メートル、そんな戦いになると思うので全力を尽くしたい」とコメント。チーム一丸となって初のアジア制覇へと突き進む。
○…C・ロナウドが涙するなど敗戦後の姿に欧州メディアも注目した。英メディア「talkSPORT」によると「C・ロナウドは失意のどん底に陥り、最後の衝撃的なプレーに自分を責めた」という。終盤に攻め込む中、後半50分にゴール前に抜け出しながらも足をかすめたシュートがブロックされたことに「不可解なミスを犯した。この試合で最後のチャンスだった」とし「C・ロナウドは落胆し、信じられないといった様子で両手を広げ、結果を理解しようとしていた」と伝えた。











