新日本プロレスの高橋ヒロム(35)が、「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(LIJ)」の盟友・内藤哲也(42)とBUSHI(42)の電撃退団を受け、団体に緊急警告だ。師匠の決断を尊重したヒロムは、誰よりも深かった内藤の新日本愛が薄れてしまったことこそが問題の本質と指摘。退団発表を巡る対応への疑問も投げかけつつ、今こそ団体として生まれ変わるチャンスと声を上げた。
団体の生え抜き看板選手で絶大な人気を誇る内藤の退団は、プロレス界を揺るがす大事件となった。練習生時代に内藤からプロレスを教わったヒロムは、取材に対し「もちろん知ってました。去年の後半から、ずっとLIJで集まって話し合ってきたので」と明かす。
昨年末にはワールドタッグリーグ(WTL)を制覇し、今年の1月4日東京ドーム大会では初の師弟対決も実現した。濃密な時間の裏で、ヒロムは師匠との別れを確信していた。
「WTLの後にシングルをやろうって言われて『決めたんだな』と。そういう瞬間だと思ったので、俺も今までのお礼を言ってお辞儀をして。自分の中で覚悟もできてのシングルだったので『最初で最後』だと分かった上で言ってましたし、気持ちの整理はとっくについてました」
2人の退団により、業界随一の人気ユニットLIJの今後にも注目が集まっている。具体的な方針は未定だが、ヒロムは「俺は新日本プロレスに残りますよ。今は自分がやりたいことをもっとやろうかなという前向きな考えですね。もともとLIJって制御不能な個人個人の集まりだったので。この先どうなるか分からないですけど、いろいろと頭の中で構想していることを実行しようかなと」とスタンスを明かした。
一方でヒロムは団体の対応にも苦言を呈す。内藤とBUSHIの退団は16日になぜか別々に発表され、リリースの文の量にもかなりの温度差があった。「辞め方は違ったにせよ『そういうやり方って今は違うんじゃない?』って思うんですよ。今までありがとうございました、この先頑張ってくださいでいいじゃんってすごく思って。あれを書いた人間の、その場の感情でやってるんだったら、新日本この先何も変わらないよって。あれは自分の中で最悪の文でした」と不快感をあらわにした。
昨年のオカダ・カズチカ(現AEW)に続く、スター選手の退団が及ぼす影響は計り知れない。しかし、ヒロムは「逆にこれは、新日本プロレスが変わるチャンスだなと思ってるんです」と言い切る。
「でも、今の上層部なら責任逃れのために犯人捜し、黒幕捜しをしようとしかねない。実際そういう声も聞こえてきてるので。そうじゃなくて選手、スタッフ一丸となって、もう一回上の人も改まって話し合わないと。新日本プロレスを愛した、絶対に辞めないと思われていた内藤さんですよ? その内藤さんが辞めるのはそれなりの理由がある。何が原因だったのか考えないと、また次から次へと(退団者が出る)という可能性がゼロではないよって」と、まずは問題の本質と向き合うべきだと主張した。
内藤の退団理由はもちろん一つではないが「(新日本プロレスが)自分の思いとズレができてしまったのは事実」と認めてもいる。そうした思いを近くで聞いてきただけに、ヒロムの言葉は重い。
「俺は2010年から選手をしてて、あの時ってまだ(ビジネスが)落ちていて殺伐としてたんですけど、何とかして上がって、またもう一回黄金時代に戻そうみたいな気持ちがすごくあったんですよ。あの時の、カッコ良かった新日本プロレスに戻るチャンスだなって俺は今、本気で思ってます」
珍しく終始険しい表情を浮かべていたヒロムの覚悟の言葉は、団体に届くのか――。












