鯉の勢いが止まらない。広島が15日の中日戦(マツダ)に7―1で圧勝して5連勝。春先とはいえ、貯金4でセ首位を爆走中だ。
好調の要因は安定感抜群の投手陣に加え、攻撃陣の奮闘も見逃せない。この日は4番・末包が3安打3打点を記録するなど12安打の猛攻。15試合を終えて60得点は堂々のリーグ1位だ。
とはいえ、新井貴浩監督(48)が就任2年目だった昨季は415得点で同5位。今季開幕前のオープン戦でも12球団最低の34得点だった。カープ打線が〝覚醒〟した背景には何があったのか…。実は得点力不足解消へ、藤井ヘッドや打撃部門を担当する朝山&小窪コーチらがキャンプから取り組ませてきた〝フルカウント戦略〟が成果を上げつつあるのだ。
藤井ヘッドは「個々の打席なら『フルカウントに強くなりなさい』と。打つことも大事だけど、チームとして四球を取っていくことは絶対に必要。その状況でどれだけ粘り、我慢して相手を苦しめられるか。また、そこで自分にプラスの結果を呼び込めるか」と一端を明かす。
オープン戦ではカウント3―1となったところで「待て」のサインを出し、相手投手にストライクを投げさせることであえてフルカウントの状況をつくり上げたこともあったという。となれば、打者がたどる道は必然的に3つに絞られる。ファウルで粘るか、三振して凡退するか、ボール球を見極めて四球で出塁するかのどれか。こうして水面下で選手個々に打開させる力を養わせてきたわけだ。
この日は3回に4点を挙げて試合を決めたが、その口火を切ったのは一死後にフルカウントから四球を選んだ矢野の出塁だった。チームの四球数もリーグ2位の40個でフルカウントからは16個をもぎ取った。1試合平均では昨季の「1・97」から「2・66」まで上昇し、選球眼の良さにも磨きがかかっている。
キャンプでは過去の新井政権下とは比較にならないほどのスイング量を課したが、「見極める力」もチームの得点力を押し上げている。












