獣神サンダー・ライガーが気になる話題やプロレス観を語る「獣神激論」。今回は新日本プロレスの2月11日大阪大会を総括する。IWGP世界ヘビー級王座戦では後藤洋央紀がザック・セイバーJr.を撃破し、キャリア22年目にして悲願の団体最高峰王座を獲得。ライガーが若手時代からよく知る後藤に寄せる期待とは――。また15日(日本時間16日)にメキシコで死去した大恩人のグラン浜田さん(享年74)にも追悼のメッセージを送った。

【ライガーが語る獣神激論(42)】後藤選手がついにIWGP世界王者になりましたね。いやあ、プレッシャーはすごかったと思うよ。あれだけ若い選手が台頭してきていて「このままタッグ屋で終わってしまうのかな…」っていうのもあっただろうし。やはり新日本に入った以上、IWGPのシングルは夢だよね。

 しかも後藤選手みたいなタイプって、ザックのようにネチネチ関節で来る相手はやりにくいと思う。どちらかというとドッカンドッカンぶつかり合う相手の方が得意というイメージがあったので、ザックから取ったのは大きいよね。「よくやった!」って言いたい。

 彼のメキシコ遠征時代も見てたけど、とにかくよく練習する。その前にC.T.Uで一緒にやっていた時も僕や邪道、外道のアドバイスをよく聞いて努力してたもん。天然キャラでイジられたりしてたのも、彼の努力を認めているからこその信頼の証しで、かわいがられていたんだと思うよ。

C.T.U時代に共闘していたライガーと後藤洋央紀(右から2人目=2005年)
C.T.U時代に共闘していたライガーと後藤洋央紀(右から2人目=2005年)

 地道な努力が花開いたんだろうね。「とうとう後藤やったか!」って、ファンの皆さんも思ったと思う。子供もリングに上げて最高のフィナーレだよ。

 後藤選手には「まだまだ俺が引っ張ってやる」ってものを見せてほしいね。3月6日大田区大会では棚橋(弘至)選手との初防衛戦も決まったけど、その試合を通じて学ぶ部分も多いと思う。ベテランだからもう古いよっていうのではなく、温故知新という言葉があるように、いい時代の新日本プロレスを掘り起こして何かメッセージを送ってほしいよね。

 若い選手たちが先に先に時代を進めたい気持ちも分かるんだけど、もう一度「アントニオ猪木さんが言われていたストロングプロレスとは何だろう」と立ち返って考えることが団体を活性化させて、また新しい新日本プロレスにつながるかもしれない。それが旗揚げ記念日というのも、粋なマッチメークだよね。

 逆に棚橋選手は来年1月の引退を前に、トップに立つチャンスが出てきた。あのキャリアはだてじゃないよ? 彼くらいの選手であれば、ベルトを持ったまま引退なんてこともできる可能性は十分あるんじゃない? 本人もこの試合を打ち上げ花火で終わらせるつもりはないだろうしね。

新日本マットで対戦もしているライガー(右)とグラン浜田さん(1994年)
新日本マットで対戦もしているライガー(右)とグラン浜田さん(1994年)

 最後に、グラン浜田さんが亡くなられましたね。僕が新日本プロレスに入れたのは、メキシコで浜田さんに山本小鉄さんを紹介していただいたのがキッカケですから、人生の恩人。本当にお疲れさまでした、ゆっくりお休みくださいとお伝えしたいね。今日からメキシコ・CMLLとの合同興行「ファンタスティカマニア」が始まりますが、ルチャリブレというものを日本に浸透させた浜田さんの偉大さを、ファンの方たちにも語り継いでいってほしいと思います。