盟友だからこそ腹の内を見抜いていた。パ・リーグ首位のソフトバンクは28日からスタートする交流戦で、巨人との開幕カード(東京ドーム)に臨む。貯金16、2位に4・5ゲーム差をつけて区切りを迎えたチームは、12球団最多8度の栄冠を誇る交流戦でさらに勢いを加速させるつもりだ。

 初戦は巨人の球団創設90周年記念試合で「王貞治DAY」として開催される特別なゲームだ。「鷹の象徴」でもある王会長。両軍にとって負けられない一戦と言える。

 小久保裕紀監督(52)にとっても感慨深い相手だ。自身も巨人で4番を託され、外様ながら主将を務めたまれな経歴を持つ。率いる敵将はともに就任1年目の阿部慎之助監督(45)。その間柄は盟友と言っても過言ではない。お互いに人柄や生きざまを理解し、勝負を超越した感情もあるはずだ。

 巨人の第3戦先発は昨季までホークスに在籍していた高橋礼投手(28)が務めることが濃厚。登録抹消から最短10日での復帰登板となる。実は、まだ不明確だった時点で小久保監督はこう漏らしていた。

「阿部監督なら(起用)してきそうですね」。地方球場などでの凱旋登板や古巣との対戦で選手に花を持たせる気遣いや、ファン目線でグラウンド外にも目を配れる視野の広さ――。戦略的な狙いもあるだろうが、敵将の考えを早くから見抜いていた。「そうなった方がうれしい」。昨季まで二軍監督を務めていた鷹の将も、新天地で本来の輝きを取り戻しつつあるサブマリンとの真剣勝負を待ち望んでいる。

 球界をけん引する両球団が激突する特別な開幕カード。「初戦『王貞治さんデー』なんで、ええ試合したいですね」。シンパシーを感じる敵将と大いに盛り上げつつも、3試合とも勝ち切るつもりだ。