復調の要因は――。パリ五輪代表選考会5日目(21日、東京アクアティクスセンター)、女子100メートル自由形決勝は池江璃花子(23=横浜ゴム)が54秒15で優勝。派遣標準記録(53秒12)に届かなかったが、完全復活への兆しは見えている。

 本命の100メートルバタフライでパリ五輪切符を獲得した池江は、前半の50メートルを3位で折り返すと、後半はギアを入れ替えてトップに立った。白血病から復帰後、東京五輪や世界選手権に出場。〝奇跡〟のカムバックに称賛が相次いだ一方で、世界との差が思うように縮まらなかった。悲壮感が漂う場面も増えたが、昨年10月からオーストラリアに拠点を変更。名伯楽のマイケル・ボール氏に師事したことが大きな転機となった。

 東京五輪4冠のエマ・マキオン(オーストラリア)らと練習を重ねる中で、池江は「エマと隣で泳いでいる時は勝てる練習もあるが、100のレース形式とかは全然勝てない」。刺激を受けながら鍛錬を重ねる姿に、日本代表OBは「レベルの高い選手と泳ぐことで、池江選手の泳ぎも変化しているように見える」と指摘した。

 メンタル面もボール氏らの「自信を取り戻す」指導で「1年前の世界選手権と表情が全然違う。タイムも伸びて気持ちもいい方向に向いているのでは」(別の競泳関係者)。完全復活へ、残る種目は23日に予選を迎える50メートル自由形。「あきらめないで楽しみながらやれたら」と力を込めた。