競泳男子で東京五輪200メートルバタフライで銀メダルの本多灯(イトマン東京)は〝敗戦〟をプラスに変える覚悟だ。

 2月の世界選手権では同種目で金メダルを獲得したが、21日に東京アクアティクスセンターで行われたパリ五輪代表選考会5日目の同種目では1分54秒18で2位。派遣標準記録(1分55秒27)を突破し、2大会連続の五輪切符を勝ち取るも「今はとりあえず代表が取れたことをちょっと褒めたい。もちろん目指してるものが目指してるものなだけに、一喜一憂する暇はないかもしれないが、だからと言って何もしないのはちょっと苦しい」と複雑な心境を明かした。

 前回の東京五輪切符を懸けた戦いは、ライバルを追う立場だった。しかし、今回は追われる立場。「正直負けるかもと思ったのはこの試合が初めて。実際に国内で負けたのも東京五輪以来だった」と本音を吐露。それでも、パリ五輪で金メダルを目指すにあたり、最低限の課題をクリアした。「目指してるものが日本の中ではないし、まずはこの選考会を通過することが一番だった。それがちゃんとできてよかった」と前向きに語った。

 残り4か月となったパリ五輪はチャレンジャー精神で挑む。

「この負けは本当に価値のある負けだと思う。今回は何か後ろを振り返りながらレースをするような、練習に行くような感じだったので、それだとダメだと身に染みて実感できた。ちゃんと前を見て、自分がやれることをもう一度ちゃんと再認識していくことができると思う」

 東京の地で味わった悔しさを、パリで満開の花を咲かせるための良薬にしてみせる。