ついに〝岡本頼み〟から脱却できるのか――。巨人は13日のソフトバンクとのオープン戦(ペイペイ)に3―2で逆転勝ち。2年連続でリーグ4位に沈んだ昨季までは屈指の本塁打数を誇りながら打線のつながりを欠き、得点力が伸び悩みをみせていた。ところが阿部慎之助監督(44)率いる新体制に変わり、変化の兆しが表れているという。

 投打で粘り強さが光った。先発した菅野は再三のピンチをしのいで4回2失点と試合をつくれば、1―2で迎えた8回にはこの日から一軍に合流した重信が逆転の2点適時打を放ち、育成2年目のラモス―メンデスのリレーで追撃を振り切った。

 チームのオープン戦は前半の8試合を終え、阿部体制となって変化が生まれつつある。順位そのものは4勝4敗で6位タイ。各球団で試合数のバラつきはあるものの、34得点は12球団中3位の成績だ。3本塁打は4位タイで9本塁打(10試合)でぶっちぎりのトップを走るDeNAの40得点と遜色ない。一発が出れば勝ち、出なければ負ける昨季までの戦い方とは異なり、課題の一つだった「打線のつながり」が数字となって表れ始めている。

 キャンプからナインに付きっきりで指導に当たってきた矢野謙次打撃コーチ(43)も、かつてプレーした日本ハムでの現役時代を引き合いに出しながら変革の重要性をこう強調した。

「例えば昔の日本ハムであれば、レアードや(中田)翔ら大砲がいた時と同じ。主軸頼みのチームになってしまうと絶対に強くならない。やっぱり全員で束になって戦わないと。その中に(岡本)和真みたいにデカいのを打てる選手がいることが理想ですから」

 岡本和は6年連続で30本塁打以上を記録し、昨季は41発でリーグトップに君臨した。しかし、主砲がどれだけ孤軍奮闘したところで前後や周りを固める攻撃陣がつながりを欠けば得点力アップにはつながらない。

 その点についても矢野コーチは「打線もつながってきているでしょう。全員が打って走って。グラウンドに動きがあるから見ていて絶対面白いはずなんですよ。選手もめっちゃ伸びてるから、見てる俺らもめっちゃ楽しいです」と笑顔ものぞかせた。

 この日の岡本和は3打数2安打をマークし、途中出場で決勝打を放った重信らの〝伏兵〟も意地の一打。ドラフト3位ルーキー・佐々木俊輔外野手(24=日立製作所)もマルチ安打の活躍で打率4割7分8厘まで上昇した。

 主力に限らず、特にシ烈を極める外野のレギュラー争いに阿部監督が「いい悩みが増えた。(重信は)ちゃんと二軍でいい調整をしてくれてたんだなってよく分かりました」とうれしい悲鳴を上げたのも変化の証しなのだろう。

 もちろん、あくまでも本番は開幕後。どこまで生まれ変われるか見ものとなりそうだ。