開幕まで約2週間となった広島で、先発陣をリードする捕手陣も〝本番モード〟の起用がスタート。13日の日本ハム戦(エスコン)は右ヒジ手術からの復活を目指す大瀬良とベテラン・会沢翼捕手(36)、前日12日は開幕投手の九里と坂倉将吾捕手(26)がバッテリーを組み、いずれも本番を想定したコンビだ。

 そんな中、捕手として本格的な覚醒が期待されるのが、侍ジャパンにも選出された坂倉だ。プロ入り以来、捕手登録だが、持ち味の打撃力を生かすため2021年から2シーズンは一塁、三塁手としても出場。昨季から改めて捕手メインに戻ると、7年目にして初めて100試合以上で先発マスクをかぶった。

 藤井ヘッドコーチは「去年と違うのは、坂倉の捕手としての不安が解消されていること」と昨年の土台が今季につながると期待を寄せる。再度、本腰を入れた捕手業で昨季の紆余曲折が、今季の大きな飛躍につながるとみている。

 昨季は開幕から先発マスクを任されたが、まさかの4連敗。スタメンを会沢に譲った5試合目でチームは初勝利を飾った。もちろん、勝敗の責任は捕手1人だけのものではない。とはいえ「捕手は試合に勝って初めて評価される」といわれる特殊なポジション。現役時代、捕手を務めた経験を持つ藤井ヘッドは「捕手としては心が折れる(笑い)。多分、打撃への影響もゼロじゃなかったと思う」と当時の坂倉の胸中を推察する。

 一方で「去年、あそこで〝免疫〟を持てたことは今年、必ず生きてくる。去年のこの時期は久しぶりの捕手専任。場数を踏んでいく中で、だんだんと頭も心も落ち着いて最終的には軌道に乗ってくれた」と確かな成長曲線を感じたという。

 昨季、日本一の阪神には梅野と坂本、パ3連覇のオリックスには若月と森という「2人の正捕手」がいた。昨今の球界のトレンドに反応するかのように赤ヘルも「会沢&坂倉」の正妻2人でペナント制覇に本腰を入れる24年。今季の捕手・坂倉には肝の据わった姿が期待できそうだ。