西武がソフトバンクにFA移籍した前主砲・山川対策として、6年ぶりに復帰した炭谷銀仁朗捕手(36)をフル活用していく。

 チームはすでに宮崎・南郷キャンプを打ち上げ、27日の韓国・斗山戦(サンマリン)から29日のオリックス戦(SOKKEN)まで練習試合を3試合行ってキャンプ地を離れる。中でもとりわけ注目されるのが、山川との初対決が見込まれる28日のソフトバンク戦(アイビー)だろう。

 今季から選手会長を務め、母校・富士大でキャプテンを山川から禅譲された経験を持つ外崎は「大学の先輩なんで(移籍決定時に)連絡しました。『お世話になりました。他球団に行きますけど、これからもよろしくお願いします』と言いました」とグラウンドでの再会を楽しみにしている。

 とはいえ、優勝を目指すためには私情を捨て、是が非でもたたかなければならない相手。より強力となったホークス打線の中軸となるだけに、いっそう抑えるべき打者となる。その大砲を封じる上で、今季はこれ以上ない〝山川キラー〟が復帰した。

 巨人にFA移籍した炭谷は2019年の交流戦で、田原を巧みにリードして山川を三振斬り。カーブを効果的に使い、当時の西武の主砲に尻もちをつかせた。さらに21年7月にトレード移籍した楽天での山川対策は大胆に進化した。

 翌22年5月13日の西武戦では、滝中とのバッテリーで3打席にわたって異例の12球連続で〝カーブ攻め〟。「打たれるかもしれないけど、3連戦を考えたら山川は絶対に崩れる」。直前の2カードで5本塁打、10打点と大暴れしていた山川を四球、空振り三振、三ゴロと翻ろうしてみせた。

 苦手意識を植えつけた前提に立ち、野田バッテリーコーチは「向こうは銀仁朗に〝やられた〟と思っている部分があると思うので、そこは大いに利用できる部分。向こうが意識してくれる分、駆け引きの材料が増えるわけですから、いかにシンプルに打たせないかというのがキャッチャーの仕事。1スイングで2点、3点をできるだけ防いでいきたい中でホークスにはそれができる打者が多い」と炭谷が持つアドバンテージを捕手陣で共有していく構えだ。

 もちろん本番はシーズン初対決となる4月12日からの本拠地・ベルーナドーム3連戦。現段階では投手の調整や古賀ら若手捕手陣の起用が優先される時期だが、練習試合や3月15日からのオープン戦3試合(ペイペイ)の4試合を使い、着々と〝エサまき〟やデータ収集を進めていく。