楽天を戦力外となっていた炭谷銀仁朗捕手(36)が6年ぶりに西武に復帰することが16日に発表された。

 炭谷は「6年ぶりにライオンズに帰ってくることになり、率直にうれしいです。ライオンズは6年前とはメンバーも変わって若い選手が増えたな、という印象です。僕にとって思い入れのあるベルーナドームで、ライオンズのユニホームをまとってファンの皆さまの前でプレーできることに特別な感情があります。ライオンズファンの皆さまには、ぜひベルーナドームに足を運んでいただき、背番号27の炭谷銀仁朗に熱い青炎(声援)を送っていただけたらうれしいです」と古巣復帰の喜びを語った。

 これまでにFAで流出したのは12球団最多の20人。西武の歴史の中で国内球団へFA移籍した選手が現役のうちにチームに復帰したのは、2010年の工藤公康投手に続いて2人目だ。

 肉声による会見ではなく、球団経由のコメント発表という手続き。さらに「自分自身への戒め」のFA宣言という独自理論でライオンズファンの感情を逆なでにしている山川穂高内野手(31)が権利を行使した直後というタイミングでもあり、義理を果たしてチームに復帰した炭谷の〝ライオンズ愛〟には多くの西武ファンが心を癒やされている。

 炭谷は2013、17、18年と3度あった西武とのFA交渉では悩みに悩み、2度目までは渡辺SD(現GM)の助け船もあってチームに残留。3度目の18年オフは森友哉捕手(28=現オリックス)の優先起用に身を引く形で巨人への移籍を決断した。

 肝心なのは西武への愛着を前提とし、その心の葛藤、移籍までの経緯を有形無形にファンに示していたこと。なぜ炭谷がFA宣言しなければならなかったのか、ということをライオンズファンの多くが共有しているということだ。

 FA移籍時に腹を割って本音をぶつけた相手の渡辺GM(58)は「銀仁朗には戦力としてライオンズに戻ってきてもらいます。それと同時に、今いるライオンズの若いキャッチャー陣に対して、これまで培った知識や経験も伝えていってもらえればと思っています」とコメント。その裏には両者の強い信頼感が垣間見える。

 たとえ思うところがあっても、人生の節目でどう筋を通して振る舞うか。それによって予期せぬ巡り合わせが訪れる〝戒め〟のような出戻り劇といえそうだ。