【赤ペン!特別編・赤坂英一】広島・大瀬良大地(32)が、エースと呼ばれなくなって久しい。彼はもう終わったのか、それとも2024年こそは復活できるのか。これが、新井カープの浮沈を握る大きな鍵の一つとなりそうである。
昨季の大瀬良はチーム最多、自己ワーストの11敗(6勝)で2年連続負け越し。皮肉なことに、3年契約を結んだ2022年から低迷が始まっている。
契約更改では現状維持の1億8000万円プラス出来高(推定)でサイン。報道陣に求められた色紙に「復活」と書き、こう殊勝にコメントした。
「こういう契約をいただいてから、求められているものを全く出せていません。悔しい思いもあるし、球団に対しても申し訳ないなと思っています。来年はちゃんと、契約をして良かったと思ってもらえるように、しっかり働かなきゃいけないと思います」
自身の悔しさ以上に、球団や関係者への謝罪を強調したところが、人のいい大瀬良らしい。
昨年は5年連続で開幕投手を務めたが、今季もその晴れ舞台(3月29日横浜、DeNA戦)に立てるかはわからない。今オフに右肘滑膜切除手術を受けており、現在はまだリハビリ中だ。
先発陣は勝ち頭の床田(11勝)をはじめ、九里、森、ドラフト1位新人・常広羽也斗(青学大)、同2位の高太一(大商大)、新外国人ハッチとライバルも多い。が、こういう逆境にあってこそ、それをはね返し、したたかに進化してきたのが大瀬良である。
現に、20年にも今回と同じ手術を受けながら、21年は開幕投手を務めている。その後、故障や離脱を繰り返しながらも10勝をマークした。
大瀬良の挫折と進化は、新人王を受賞した14年の翌年、いわゆる「2年目のジンクス」に陥った15年から始まった。先発で1勝6敗と不振だった6月、リリーフに配置転換。3年連続CS進出のかかった最終戦で敗戦投手になり、人目もはばからず号泣した。
16年には初めて右ヒジ内側側副靱帯を痛めて長期離脱。もはや復活は難しいかと思われた中、先発に復帰した翌17年から3年連続で2桁勝利を挙げた。この復活の要因について、当時、大瀬良本人に聞いたら、こう明かしてくれた。
「自分で言うのもおかしいですけど、僕は本当に頭を使うピッチャーになったなと思います。プロに入ったころは力任せに投げて、真っすぐとカットボールが真ん中あたりにいって、適当に散らばってくれればいいや、ぐらいのつもりで投げていましたね。それが、いろんなことがあって、いろんな投げ方や球種を取り入れて、意図のある球を意図したところにちゃんと投げられるようになった。フォームでも配球でも、頭を使った投球ができるようになったんです」
無論、根性や負けん気で踏ん張ってきた時期もあっただろう。それに加えて、いまなお、大瀬良は「頭を使って」試行錯誤を続けている。この姿勢を忘れない限り、今季は何度目かの復活劇を見せてくれるはずだ。












