2024年を今後の足掛かりにする。広島・床田寛樹投手(28)にとって23年は大飛躍の1年だった。登板24試合中、23試合に先発。自己最多の11勝(7敗)はリーグ4位、そしてキャリアハイの防御率2・19は同3位の好成績だ。勝率6割1分1厘も自己最高。コイの「左のエース」誕生を印象付けた。24年はさらなる高みへ……といきたいところだが、床田本人は不安でたまらないという。その胸中を赤裸々に語ってくれた。

 ――2023年に結果を残した一番の理由は?

 床田 余裕持って投げられたことじゃないですかね。

 ――22年も開幕ローテに入れるという余裕があると言っていたが?

 床田 その余裕とは少し違いました。22年はとりあえず開幕のローテには入れるから(という余裕)。だから(試合は)抑えないと(と思っていた)。23年は〝試合中〟の余裕ができたとは思います。ただ、それも(試合で)抑えて結果が出てないとできないことだったので。そこはたまたまです。運要素が強かったと思います。

 ――6月2日のソフトバンク戦で初黒星を喫するまで、開幕戦から4連勝、防御率1点台と好調だった

 床田 スピードも出なかったし(開幕後)すぐヒジも痛くなったので、最初は「何で抑えられたんだろう?」と。このままじゃ少しきついなと思ってたんですけど、痛いながらも(試合で)投げてたら、ずーっと抑えて、あまり試合もぶっ潰すこともなく、勝ちもついてきましたし。

 ――それが後半は少し難しくなった?

 床田 ヒジが痛くなくなって、スピードが出るようになって逆に打たれるようになった。ただ、今思えば後半はスピードが出てきた分、少しアバウトになって、慎重さがなくなってたんじゃないかなと。

床田にとって昨季は飛躍のシーズンとなった
床田にとって昨季は飛躍のシーズンとなった

 ――少しは自分の思ういい投手に近づけた?

 床田 そうですね。こんなんで満足したらダメだとは思いますけど、目標にしていたことが達成できたので。でも逆に24年はめちゃくちゃ不安です。もっとやらないといけないと。今まで良かった分、24年は今までで一番不安はあります。「大丈夫かな?」と。

 ――あまり不安を抱えないイメージだが?

 床田 (今までは)何とかなるっしょみたいな感じでやってきて、その場しのぎが多かったですね。

 ――ところでいい投手とは?

 床田 単純に結果がいい人じゃないですかね? チームのことを思う、思わないは、立場が変われば大事になってくるとは思うんですけど。大瀬良さんみたいに背中で語るというか…助言もするし、周りを見て、チームのためにやってるのがすごいわかるじゃないですか? ああなりたいなとも思ったんですけど(自分は)できないし、そこまでの余裕もない。それはあんまり僕には向いてないんじゃないかなと。だから僕は負けない投手、あとは大事な試合で勝ち切れるが一番いい投手かなと思います。

 ――チームは2位だった。阪神との差はどこに感じた?

 床田 うーん…投手じゃないですかね。

 ――投手?

 床田 打者はあんまり変わらないと思うんです。(自分が)後半、打たれるようになるまで阪神に嫌なイメージがなかったので。特に村上、大竹。あれはちょっと予想外でしたね。それまでも青柳さんと(伊藤)将司! そんなに騒がれてないですけど、バケモンですよ。だって毎年(防御率)2点台中盤、10勝ぐらいして、規定投球回ぐらいを投げる。あれほど計算できる投手はいない。僕の中ではすごくいい投手だと思います。

 ――伊藤将投手が理想形?

 床田 うーん。ほんとはもっと(成績を)と思いますけど、あれだけ安定しているのはすごいなと思うので。まずはそこを目指しながら。

 ――安定感が欲しい?

 床田 安定感ですね。常に試合をつくり続けることができたら、もう1個、2個(自分が)ステップアップできるんじゃないかなと思います。

 ――23年は左のエースと言われていたが?

 床田 (自分では)全然、思ってないです。ちょっと頑張ったからといって、エースというのはないなと思いますね。そんな軽いもんじゃないと思っているので。

 ――エースが?

 床田 はい。(エースは)何年もやって、結果を残し続けることの積み重ねだと思います。「こいつで負けたら仕方ない」「困った時にこいつがいてくれたら」と思ってくれるようになればじゃないですか。(自分は)23年だけだと思うんで。

 ――何年か結果を残してこそ?

 床田 僕の中では最低3年やって、ローテーション投手と(言える)。その中でも成績を残し続ける人がエースじゃないかなと思います。

2024年も床田のこの笑顔が見たい
2024年も床田のこの笑顔が見たい

 ――自分はエースではない?

 床田 今年、長ーい階段のやっと一歩目を踏み出した感じじゃないですか? ようやく2桁(勝利)、規定投球回に行ったので。ローテーション投手としての階段を一歩上がれた。24年またダメだったらまた階段を下りるしかないので。

 ――キャリアハイを少しずつ更新したいと。24年の目標は?

 床田 やっぱり23年ぐらいは勝ちたいと思います。

 ――では最低12勝?

 床田 はい。あ、11勝でも(笑い)。ただ、2桁は絶対、勝ちたいと思いますし、規定投球回も行きたいです。規定が一番ですかね。23年は143イニングを目標にして、途中から「これだったら余裕でいける」みたいな感じになって「150、160を狙おう」と思っていた。だから24年は143じゃなくて、160を目標に。

 ――それで170イニングで終わるのがベスト?

 床田 そうですね。もし160いかなくても規定は行きましたみたいな感じになれば、一番いいなと思います。