日本ハムが起こしたサプライズで、日本球界がいまだに揺れている。

 今オフにFA宣言した山崎福也投手(31)を巡っては残留要請したオリックスを含め巨人、ヤクルト、DeNA、ソフトバンクの6球団による争奪戦となっていたが、最終的に日本ハム入りが決定。昨季までバッテリーを組んだ伏見が在籍し、父・章弘さん(62)が選手、コーチとして計14年間関わっていたことも決め手の一つとされている。

 しかし、日本ハムが提示したとされる「4年総額8億円」の条件はストーブリーグのプライスリーダー、ソフトバンクの「4年総額12億円超」に及ばず、交渉順も一番後。埼玉県出身で地縁もない北海道の球団を選んだ山崎福に何が響いたのか、その理由は本人の口から語られるまで真相は霧に包まれている。

 そんな中で球界内では「交渉の席に栗山さんがいたと聞いている。事実だとすれば、それが決定打になった可能性は高い」と栗山英樹プロフェッサー(62)の交渉出馬説が駆け巡っている。

 栗山氏といえば、今年3月の第5回WBCで侍ジャパンを率い、日本を3大会ぶり3度目の優勝に導いた名将。日本ハムに「プロフェッサー」として籍を置き、来年1月からフロント入りし、編成トップの要職に就くことも報じられている。

「交渉役」としての栗山氏の〝らつ腕〟ぶりは、日本ハム監督に就任した直後の2012年オフから始まった。当時、花巻東高のエースでドラフトの目玉になり得た大谷翔平投手(エンゼルスFA)が12球団の指名を拒否し、即メジャー挑戦を打ち出していたところ、日本ハムがこれを強行指名。「NPB入りの可能性は0%」とまで断言していた大谷をフロントとのタッグで粘り強く交渉し「誰も歩いたことのない道を歩いてみないか」と前代未聞の二刀流を提案して翻意させている。

 その真っすぐで誠実な交渉役ぶりはWBCでも発揮され、大谷やダルビッシュ、鈴木誠也(故障により離脱)、レッドソックス移籍直後の吉田正尚、ヌートバーなど日米球界のそうそうたるメンバーの招集に成功。「WBCの成功は編成の勝利」とまでたたえられた。

 そして、そのらつ腕交渉人が山崎福のFA交渉に出馬していたとすれば〝ダークホース〟日本ハムの大逆転劇も腑に落ちる。さらに、栗山氏にささやかれている次の〝補強ターゲット〟とされているのが、こちらも縁の深い中田翔内野手(34)の出戻り獲得だ。球界関係者はこう明かす。

「もともと中田の巨人入りは、栗山さんがパイプのあった原監督(当時)に頼み込んで実現した無償トレード。原さんが退任したタイミングで編成トップに就く栗山さんが全ての反論を自分が背負う形で、中田の再獲得に動くという話はあり得なくはない。常に後ろ盾が必要な中田には人の縁のない中日よりも、福良GM、中嶋監督らがいるオリックスか、金子(戦略)コーチのいるロッテ、または栗山さんがトップに立つ古巣・日本ハムへの帰還が本人にとって望ましいシナリオ」

 1日に正式に自由契約選手となった中田には、中日が巨人との契約を引き継ぐ形で「2年6億円」の条件を準備しているとみられる。大砲の獲得に本腰を入れているが、栗山氏を擁する日本ハムが山崎福に続くビッグサプライズを起こすかもしれない。