3年ぶりのFA参戦も無念の〝敗退〟となった阿部巨人。そのショックは大きいとみられていたが、現場からは意外にも〝安堵〟の声が漏れている。

 オリックスからFA宣言した左腕・山崎福也投手(31)は6球団からのラブコールを受け日本ハムの手を取った。阿部監督自ら出馬し、4年10億円超の好条件を提示したものの、巨人はフラれる形となった。

 22日のオーナー会議後に山口オーナーは「今年、弱点ははっきりしていましたからね。そこは弱点はそのままにして来季…というわけにもいかないだろうということでしょうね」と投手補強の必要性を強調。4年ぶりV奪回を目指し、2020年オフの井納と梶谷を獲得して以来となるFA市場に打って出たが、吉報は届かなかった。

 だが、チームの現場からは〝敗北〟を前向きに受け止めているフシもある。ナインの一人からは「需要と供給なのでFAで年俸がハネ上がるのは仕方がない。ただ、戸郷とのバランスを考えると今回、縁がなかったことはむしろよかったかもしれない」との声が上がった。

〝若きエース〟戸郷翔征投手(23)は3年連続で規定投球回をクリア。22年には最多奪三振のタイトルも手にしたが、今季年俸は9000万円(推定)だった。来季はWBCでの世界一への貢献と2年連続でマークした12勝の成績を最大限考慮しても、2億円に届くかどうかのラインとなっている。

 一方、山崎福は自身初の2桁となる11勝をマークしたものの、規定投球回到達はこれまでゼロ。それがいきなり1年2億5000万円ベースで加われば、選手会副会長と投手キャプテンを兼任するリーダーとの年俸バランスが崩れかねなかったという。

 幸いなことに先発左腕は人材が豊富。巨人で2年目を迎えるグリフィン、メンデスの外国人左腕2人の残留が決定し、若手も横川、井上らが順番待ちの状態となっている。新人でもドラフト2位・森田(ホンダ鈴鹿)、同5位・又木(日本生命)と即戦力左腕がそろっている。現有左腕の活躍でFAショックを払拭できるか注目だ。