デビュー当時から元祖アイドルレスラーとして一世を風靡し、現在もその美貌でファンを魅了し続けるのが井上貴子(LLPW―X)だ。35年間、第一線を走り続けて21日には、東京ドームシティホールでデビュー35周年記念大会を開催する。

93年12月、両国国技館のリングに立つ井上。美しい
93年12月、両国国技館のリングに立つ井上。美しい

 1969年11月7日、茨城・取手市出身。中学3年時に全日本女子プロレスのオーディションを受けるも落選。高校進学後は東京・代々木のレスリング教室に通い、プロレスラーになるため、徹底的に基礎を積んだ。当時からそのルックスは他人の目を引き街でスカウトされたり、高校2年時には大人気を誇った「おニャン子クラブ」のオーディション2次審査まで残ったが、全女のオーディションと日が重なっていたため、プロレスを選んだ。

 88年10月10日後楽園の井上京子戦でデビュー。すぐさまアイドル人気が爆発して写真集が発売され、3年目にはテレビから芸能活動のオファーも入った。先輩レスラーから嫉妬され、陰湿ないじめも受けたが、持ち前の負けん気とレスリングの基礎を武器に少しずつ実力派への転身を遂げていく。それでも出版した写真集は10冊以上、91年にはCDデビューも果たした。94年にはオールヌード写真集も発表し、世間を驚かせた。

 転換期となったのは93年から大ブームを巻き起こした団体対抗戦ブームだ。引退も考えていた時期に堀田祐美子とのコンビでJWPとの対抗戦に出場すると「プロレスが楽しくなった」。94年11月の東京ドーム大会ではJWPのキューティー鈴木とのアイドルコンビで出場。大きな話題を呼んだ。全女の頂点は“赤いベルト”WWWA世界シングル王座だったが、井上はもうひとつの看板王座“白いベルト”オールパシフィック王座に愛着を持っており、96年11月に悲願の初戴冠を果たした。また井上京子との“ダブル井上”コンビも人気を呼んだ。

 99年に全女を退団してフリーになった後、2005年2月にミスター女子プロレスこと神取忍率いるLLPW(現LLPW―X)に入団。トレードマークのスタンガンを持って暴れ回る。54歳になっても美貌は変わらず、スターダムに参戦するなど衰えるところを知らない。メモリアルマッチを過ぎても「一生プロレスラー」と公言する元祖アイドルレスラーの挑戦は続く。