【球界こぼれ話】予想以上の大成功だったのではないか。
日本ハムが今月1日から12日間、本拠地「エスコンフィールド北海道」で行った秋季キャンプのことである。
当初は「地元開催とはいえ、わざわざファンが秋季練習を見るために球場に足を運ぶのか」――。報道陣や球団関係者を含め周囲には少なからずこんな懐疑的な見方があった。だが、ふたを開けてみれば不安は杞憂に終わった。
キャンプ初日(1日)から約4500人のファンが来場すると、3日目(祝日)には1万2500人に。翌4日にはシーズンさながらの1万3900人が詰めかける盛況ぶりだった。
この大観客を前に新庄監督も「ビックリしたわ」と目を丸くするばかり。3日の練習後には「練習を見ながらご飯食べるのにはちょうどいいし、カップルだったらデートがてらね。でもこんなに(ファンが)入るとは思わなかった。最高ですよ」と満面の笑みをのぞかせていた。
無理もない。プロ野球の秋季キャンプといえば通常は若手を主体とした「鍛錬の場」。地味な練習が続くことが一般的だ。打撃を強化したい選手は徹底的に打ち込み、守備に難がある選手は連日コーチからノックの嵐を受ける。各自がテーマを定め黙々とメニューをこなすためファンや観客もまばら。決して球場全体が盛り上がることはない。だが、日本ハムの秋季キャンプはそんな概念を大きく打ち破ったのだから快挙と言わざるを得ない。
何が大勢のファンを引きつけたのか。
来季に向けたチームへの期待もさることながら、大きな要因は「スタンド開放」と「施設の充実ぶり」、そして「ファンサービス」だろう。
キャンプ期間中を通して球場のスタンド席は午前9時前から一部を除き無料開放された。しかもフードコートを含めた飲食店や温浴施設などもほぼ通常営業だった。おかげで来場者はシーズン中と同じように自席で飲食しながら練習を見学するなど思い思いの時間を過ごせた。そこに紅白戦や新庄監督の私物プレゼント企画。こうしたファンへの環境づくりが功を奏したといえる。
球団側も一部有料席や施設、飲食店の収入により一定の収益を確保。選手も自宅や寮から毎日通える恩恵を享受できた。ファン、球団、選手の三者それぞれにメリットがあった日本ハムの秋季キャンプ。自前球場だからこそ可能だったかもしれないが他球団も追随できないものだろうか。
オフでも野球ファンを飽きさせないこうした試み。さまざまな角度から挑戦してもらいたい。












