4年ぶりのV奪回を目指す巨人・阿部慎之助監督(44)が〝愛のある注文〟を付けられた。12日に行われた巨人OB戦(静岡・草薙球場)を訪れ、レジェンドたちを前にあいさつ。OBからは青年監督の船出を祝う声が出る一方で、さまざまな〝障害〟となりかねない「閣内不一致」を心配する声も上がった。

 往復6時間をかけて〝誠意〟を尽くした。阿部監督は秋季キャンプ地・宮崎から遠く離れた静岡の地に飛んだ。

 現地では「レジェンドOB対ジャイアンツ女子チーム」のチャリティーマッチが開催され、試合前に指揮官が「強い巨人、愛される巨人、そしてOBの方々にも気にかけていただけるようなチームづくりをしていきたいと思います」と決意表明すると、大きな拍手を浴びた。

 阿部監督はわずか1時間の滞在で、すぐに宮崎へとんぼ返り。その姿に中畑OB会長は心を打たれた様子で「わざわざキャンプ中にもかかわらず、あいさつを交わしたいという心意気。宮崎から来てくれたというだけでも(OBたちも)『よし来年頑張れよ』『阿部監督、応援するぜ』と盛り上がった」と打ち明けた。

 そんな応援ムード一色の中、有力OBの1人は「気になっていることがある」と指摘し、こうも続けた。

「桑田二軍監督は『部活じゃない』と長時間の練習を否定。阿部監督がキャンプのテーマに決めた『くったくた』にする方針と真逆に聞こえる。一、二軍は選手の入れ替えも多い分、方針が違えば選手が混乱する。少なくとも外に発信する前に、両監督で確認した方がいいのでは」

 確かに就任直後の先月17日、桑田二軍監督は「〝朝から晩までドロンコに〟なんていう野球は、部活じゃないんで。やっぱりプロフェッショナルなんでね」との考えを示していた。だが、今秋の宮崎キャンプで野手は早出、そして個別練習と朝から夕方まで文字通りの〝泥まみれ〟だ。投手陣も杉内投手チーフコーチと内海投手コーチの下、下半身強化トレーニングを課されて悲鳴を上げており、二軍指揮官の言葉とは明らかにかけ離れている。

 とはいえ、首脳陣も阿部監督就任直後のドタバタ劇からは徐々に落ち着きをみせている。阿部監督はリモート会議で桑田二軍監督、駒田三軍監督らと密にコミュニケーションを取っており、だんだんと方向性が合致していくはずだ。

 しかし、OBが心配する気持ちも「もっとも」と言える。38年ぶりの日本一に輝いた阪神を来季こそ倒してリベンジを果たし、4年ぶりの栄冠をつかむためには、早い段階から不安要素を完全払拭し、強固な一枚岩を形成していくしかない。