「第3の矢」は放たれるのか。2年連続でBクラスに沈んだ巨人がトレード補強を活発化させている。すでにソフトバンクから高橋礼投手(28)と泉圭輔投手(26)、オリックスから近藤大亮投手(32)を相次いで獲得。4年ぶりのV奪回へ、異例のスピードで補強が行われている背景には投手陣の再建だけでなく、編成上の〝欠陥〟も問題視されていた。
〝トレードラッシュ〟の始まりは今月6日だった。強打のウォーカーを放出して2019年に12勝を挙げて新人王に輝いたサブマリン・高橋礼、20年から3年連続で30試合以上に登板した泉を1対2の交換トレードで獲得。8日には3年連続50試合登板を果たした近藤の金銭トレードによる加入も決まり、3日間で3人の投手を新戦力に加えた。
ソフトバンクから移籍となった2人は9日に宮崎市内のホテルで行われた入団会見に出席。高橋礼は「役割にこだわらず、どこでも求められたところで頑張りたい」と意気込み、泉も「初勝利が東京ドームでいい印象がある。優勝に貢献できるようにたくさん投げられたら」と決意を明かした。今季の救援防御率3・81はリーグ最低の成績。近藤も含め、ブルペンの再建へ矢継ぎ早に補強が進められている。
戦力的なテコ入れはもちろんだが、もう一つのカギは「投手陣の年齢層」にもありそうだ。現在の投手陣は23歳の若きエース・戸郷らを筆頭に山崎伊や赤星、横川ら20代前半の投手が主体となっている。最年長は大黒柱の菅野の34歳だが、今オフの球団は経験豊富で30代前半の鍵谷や三上、高木に戦力外を通告。働き盛りの〝アラサー世代〟が抜け、一軍の主力として活躍する30歳前後の日本人選手は高梨と中川だけとなった。
世代間のゆがみはかねて問題視されていたものでもある。球団幹部の一人は「チームは現在過渡期にある。若手育成のために2020年からドラフトに重きを置くようになったが、完成したチームになるにはあと2年はかかるし、そのはざまの世代はどうしても生まれてしまう。その穴埋めをきっちりするための補強はやりますよ」と明かしていた。
若手だけで勝ち続けることは難しく、ベテランだけで戦ってもチームの未来にはつながらない。中堅層が上下の世代をつないでこそ、若手を引き上げながらベテランの負担も減らすチーム運営が成り立ってくる。
阿部監督が近藤を獲得した際に強調したのが世代間のバランスで「(近藤は)経験も豊富だし、ウチにいない年齢層。若い投手が多い中で手本になってもらいたい」と話していた。
ただ、近藤を加えても〝アラサー世代〟はまだ「2人減」の状態。さらなる補強に打って出る可能性もありそうだ。













