巨人に8年ぶりに復帰した〝気合の戦士〟矢野謙次一軍打撃コーチ(43)が就任早々、宮崎での秋季キャンプで若手野手を熱く指導している。4年ぶりのV奪回を託された阿部慎之助新監督(44)とは現役時代からの〝盟友〟。引退後には米レンジャーズにコーチ留学した経験などを持つが、リーグ4位の得点圏打率2割4分1厘に終わったチームをどう向上させるのか。その思いを直撃した。

――日本ハムから8年ぶりの巨人復帰。違和感は

矢野コーチ 特になかったですね。去年はファームのコーチだったのでイースタン・リーグで対戦していました。想像よりも中に入ったら選手は明るいし、個々の能力も高い。いい意味で良かったです。

――秋季キャンプでは早速、野手のメニューづくりも

矢野コーチ 二岡(ヘッド兼打撃チーフコーチ)さんにお任せしてますけど、二岡さんが「謙次、何かあるか?」と聞いてくれるので、その時はアイデアを出すようにしてます。

――巨人現役時代の2013年は得点圏打率3割4分9厘。コツはあるのか

矢野コーチ 簡単に言ったら得点圏でも難しいボールに手を出さないこと。簡単なボールを打ちにいくことが大事になる。

――いつも自分の打撃をできるようにする

矢野コーチ 選手がもともとの打撃の質を高めていってくれれば、状況はそんなに関係ないです。ただ一軍では特徴のある投手が出てくる時もあるので、相手投手に応じた狙い方がある。そうした場合、アドバイスというか提案をしていければいいと思います。

――日本ハム時代の18年から約2年間コーチ留学。今に生きていることは?

矢野コーチ すごくあります。一番は選手には教えるのではなくて、とにかく見守ることが大事だと教わったことです。今の若い選手は日本ハムでもそうでしたけど、感情を表に出しづらいんですよね。僕らの時代だと「クソーッ」とか試合で見せていた。でも、今の選手も腹の中にはそういった感情がある。見守って、時間をかけて選手を知るということを心掛けています。

――日本のやり方とはまったく違う

矢野コーチ 向こうではそうでした。1A、2Aは基礎を徹底的に日本よりもしっかりと教えます。ただ3A、メジャーの選手には基本は一切教えない。それができるから3A、メジャーにいるので。選手から何か聞いてきた時に「この選手は最近、どうなっているか」などの材料を持っておく。でも、それだけでもダメで「こうやったほうがいいぞ」としっかりと提案できるようにしないといけないです。

――阿部監督の今季までの背番号80を引き継ぐ。阿部監督の存在とは

矢野コーチ 大先輩ですし、巨人時代はいつも気にかけてくれました。あんまり細かいところは言わないんですけど、外してはいけないところ、ダメなところを注意してくれた。食事にも誘ってくれて、すごく尊敬する先輩。野球選手としてもこれ以上ないぐらいの成績を残されてますし、野球への取り組み方も本当にすごい。

――今季は日本ハムのアマスカウトだった。面白さもあった

矢野コーチ スカウトを1年やらせてもらって、ずっとグラウンドにいたら分からないことも結構あったと思っています。ただ阿部監督から声をかけていただいたので、これから現場に還元していければいいと思います。

(インタビュー・坂庭健二)