オリックスは19日、ロッテとのCSファイナルステージ第3戦(京セラ)に5―6で逆転負け。初黒星を喫し、優勝アドバンテージを含めて2勝1敗となった。王者の戦いぶりを本紙評論家の加藤伸一氏はどう見たのかというと――。

【加藤伸一・インハイアウトロー】結果的に逆転負けしたが、リーグ3連覇したオリックスの強さを改めて思い知らされた。1点を追う初回の攻撃では、一死走者なしから5連打と犠飛で一挙3点を奪ってひっくり返した。いずれの打球方向もセンターから右で、ベンチの指示が徹底されていた。

 試合前のミーティングで言われていても、いざチャンスで打席を迎えたら引っ張ってしまう選手というのは少なからずいる。それがないのは、選手もベンチの意図を理解しているからだろう。成熟した〝大人のチーム〟という印象を受けた。

 この1、2戦を見ていて、中嶋監督の肝の座り方にも感心している。短期決戦では早め早めの継投でリードを守るのがセオリーだが、第1戦で7回5失点と精彩を欠いたエース山本も、5回1失点と好投しながら6回に連続四球から一時勝ち越しを許したこの日の田嶋も、イニング途中で代えることはなかった。

 捕手目線で投手の状態や心理をしっかりと見極めているのだろう。「1試合ぐらい負けたところで」と割り切っているような余裕すら感じた。1点リードの9回に4番手の山岡が追いつかれ、勝ち越されたシーンでも中嶋監督がバタバタすることはなかった。

 レギュラーシーズンで29セーブを挙げ、前日も9回に登板して1イニングを無失点に抑えた守護神の平野がこの日はベンチ外だった。内部事情までは分からないが、故障や体調不良でないのなら先を見据えた戦略の一環なのだろう。短期決戦とはいえ、1勝のアドバンテージがあるオリックスは最大6試合で計3勝すれば日本シリーズに進出できる。これだけ指揮官が落ち着いていたら、選手も戦いやすいはずだ。   

(本紙評論家)