西武・岡田雅利捕手(34)が楽天から戦力外となった炭谷銀仁朗捕手(36)の再獲得の必要性を説いている。

 3年契約の2年目となった岡田の今季は3月に受けた左ヒザ加重位置修正のための「大腿(だいたい)骨・脛骨(けいこつ)骨切り術」によるリハビリのため一、二軍とも試合出場はなし。契約最終年の来季が正念場のシーズンとなる。

 そんな野球人生の土壇場にいる岡田が最近気にかけているのが、同じ捕手で元同僚・炭谷の動向だ。

 岡田は「ギンさん、どうするんですかね。ボク的には帰ってこられたら困りますけど…」と切り出しつつ、「(復帰すれば)チーム的にはめちゃくちゃプラスになりますよね。いっぱい情報を持っているじゃないですか。しかも、それを使う術を知っている。チームが上位を狙うなら必要な戦力でしょう」と再獲得を訴えた。

 岡田の立場からすれば、炭谷が復帰となると自分がはじき出されるかもしれない。それでもあえて炭谷獲得を推すにはワケがある。

 というのも、今季の西武は昨年までの主戦捕手・森友哉のFA移籍の影響をもろに受け、オリックス戦で8勝17敗の大惨敗を喫してしまった。

 岡田はその要因について、森が持ち出した西武の〝個人情報〟だとみている。「昨年誰がどこをケガしていたとか、実はこのピッチャーがピンチの場面でこの球を投げたがっていなかったとか…。チームの内情をしっかり持っていかれて活用された」

 それだけ同一リーグへの捕手流出リスクは大きいということだが、逆にライバル球団から捕手を迎えることができれば、大きなアドバンテージを得る。炭谷の再獲得は、西武が楽天に対して優位に立つ上で、非常に効果的な補強となるわけだ。

 加えて岡田が絶賛するのが、森をしのぐ捕手としての炭谷の〝したたかさ〟だ。昨年5月13日の楽天戦(ベルーナドーム)、滝中―炭谷の楽天バッテリーは、西武・山川に対し、3打席に渡って12球連続のカーブ攻め。主砲はこれで打撃を崩された。

「あんなリードは若いキャッチャーにはできない。しかも、ギンさんはただカーブを要求したんじゃなく、『ボールにしていいカーブ』と『ストライクを取りにくるカーブ』を織り交ぜて(山川を)焦らしながら攻めていた。この1打席、1試合で終わりのプランではなかった。接戦の中であんなリードができるなんて、見ていて勉強になったし面白かった」

 チームが上位進出、優勝するためには、今季のオリックスに対する西武のような〝カモ〟が必要。個人の事情はさておき、炭谷復帰の効果を語る岡田の言葉には熱がこもっていた。