危機感を胸に逆襲へ――。巨人の平内龍太投手(25)が8日、11試合登板に終わった今季を振り返った。即戦力投手として2020年のドラフト1位で入団するも、まだそのポテンシャルを発揮しきれていない右腕。悩める男の現在地はどこにあるのか。

 平内はこの日、ジャイアンツ球場で行われた三軍練習に参加。ランメニューやキャッチボールなどで汗を流すと、練習後には球場に集まったファンからのサインや写真撮影に応じていた。

 20年のドラフト1位右腕も、今年で早くも3年目のシーズンが終了。3試合登板に終わったルーキーイヤーの悔しさをバネに、2年目の昨季は53試合に登板したが、オフに右ひじのクリーニング手術を実施。リハビリを経て5月14日に支配下復帰を果たした。だが苦しい救援陣を救うべく即一軍登録されたものの、先発1試合を含む11試合登板のみで防御率は3・95。シーズンの大半を二軍で過ごした。

 チーム内ではベテラン・松田が現役を引退、広島では薮田が戦力外と、母校・亜大の先輩たちの動向が耳に入るたびに自身の危機感も増している。平内は「タイトルを取った数年後にチームを去ることになることもある。(プロ野球は)そういう世界」とプロの厳しさを肌で感じている。

 もがき苦しみながら戦い続けたシーズンで、大きな収穫も得た。

「(二軍調整時に)久保さん(巡回投手コーチ)から受けたアドバイスをもとにフォームを修正した。軸足がつぶれて曲がってしまう癖を直して、伸ばすくらいの感覚で投げたらよくなってきました」

 課題は好調時のフォームが、登板を重ねるごとにズレが生じてしまうこと。「試合ではありのままの自分が出る。どんな時でも自然といい状態の投球が出せるように、体にフォームを染みこませます」と、今オフは理想のフォームを体に覚え込ませることを目標に掲げた。

 同期入団のドラフト2位・山崎伊はキャリアハイの10勝を挙げた。平内も負けてはいられない。潜在能力は折り紙付きの投手なだけに、このままでは終われないはずだ。