強い巨人軍、愛される巨人軍へ――。7日に行われたファーム日本選手権で巨人・浅野翔吾外野手(18)が「熱男の魂」を行動で示した。稀代のムードメーカーとして「熱男」の愛称で仲間にもファンにも愛され、今季限りで現役を退いた松田宣浩から意志を受け継いだ18歳。試合前、師匠から魂を継承された理由が分かるようなシーンがあった。

「1番、ライト、浅野翔吾」。後攻めの出場選手紹介、巨人で最初に名前を呼ばれた背番号51はさっそうと一塁ベンチを飛び出した。一塁線上まで駆け寄ると、すでに三塁線上に整列していたソフトバンク・小久保裕紀二軍監督をはじめ首脳陣、選手らに向かって姿勢を正して一礼。その姿に小久保監督も思わずニッコリと笑い、顔を見合わせたコーチ陣と二言、三言、言葉を交わした。染みついた作法で自然と出る相手への敬意が、その場で伝わった。

試合前の円陣で、額に「熱男」と貼って声出しする浅野
試合前の円陣で、額に「熱男」と貼って声出しする浅野

 初回の守備につく際にはエスコートキッズにもしっかり一礼すると、守備位置についた後も少年を気遣うように会話を途切れさせることなく、笑顔で声をかけ続けた。

「やると決めて、それをやり切るには相当な覚悟がいる」。そう話してソフトバンク退団時には、自らが果たしてきた役割の継承を見送った松田。野球選手として表に出る間、四六時中つくり上げた〝熱男〟像を身を削って全うする…その苦労を身を持って知ってるからこそだった。

 その松田が移籍先の巨人で〝後継者〟としたのが浅野。その器量や人となりを見込んでのことだろうが、この日見せた一つひとつの振る舞いに、松田をよく知るソフトバンクサイドも合点がいった。

 試合後、フロント関係者やチームスタッフが感服していたのは言わずもがな。ソフトバンク陣営の「今、ウチにはああいう選手いるかなあ…」という声が、浅野の〝尊さ〟を物語っていた。