「1番・浅野」に込められた原監督のメッセージとは? 巨人は31日の広島戦(岐阜)でドラフト1位・浅野翔吾外野手(18)がプロ初の1番でいきなり左前打を放った。プロ初のマルチ安打もマークし2―0での勝利に貢献。再び勝率を5割に戻した。残り26試合、何を最優先に戦うべきか。本紙専属評論家の伊原春樹氏が指揮官の〝隠された意図〟を元参謀役の立場から分析した。

 突然の決断だった。浅野の打撃練習を注視した原監督は阿部ヘッドコーチ、大久保打撃チーフコーチとその場で青空会談。浅野の「1番・右翼」での起用を決めた。

 浅野にとっては初めて訪れた球場。阿部ヘッドが右翼の浅野に外野ノックを打ち、鈴木コーチがそばでマンツーマンで指導。慌ただしく準備が進められた。

 球団の高卒新人の1番スタメンは1959年の王貞治以来、64年ぶり。浅野の2安打の躍動に指揮官は「非常にレベルも上がってきましたしね、戦える材料は持っているという中で見事に期待に応えてくれましたね。スピードもあるし、唯一ないのは経験値」と力を込めた。

 2007~10年までヘッドコーチとして原監督を支えた伊原氏は「巨人である以上、シーズン中に『優勝をあきらめた』とは絶対に言えない」と断言すると「ただ『CS進出と来季以降へつなげる戦いに切り替えた』という意思表示が、この日の『1番・浅野』のスタメン。近未来の巨人の姿を提示することで、来季の戦いを見据えていく決意を示した」と評価した。

 そのうえで伊原氏は「CSを目指す以上、3位・DeNA戦は残り7試合、全勝の態勢で臨む必要がある。残り5試合ある阪神戦は最悪、落としたとしてもDeNA戦は落とせない。戸郷と山崎伊の先発二枚看板の登板間隔を詰めてでも、DeNA戦に優先的に当てる必要があるだろう」と今後は戦力を「一点集中」するべきとした。

 同時に伊原氏は首位・阪神と12・5差となった今季について「阪神・岡田監督が『1番・近本、2番・中野』で固定したのに対し、巨人の1、2番はここに来てまだ固まっていない。チームに戦力が整っていた13年前は動く必要がなかったこともあり、打順はほとんど固定だった」と分析。「選手のケガなどによる離脱が多く、上位を固定できないことが現在の順位となっているが、浅野が将来的に1番に定着できれば一気に解決できる」とした。

 浅野自身も「自分が一番好きな打順は1番」と高松商時代に指導を受けたイチロー氏の姿を追う。巨人の未来を黄金ルーキーが輝かせることができるか注目だ。