投打がガッチリとかみ合った。広島は17日の中日戦(バンテリン)に3―0で快勝した。先発の九里亜蓮投手(32)が7回無失点と好投して8勝目をマーク。打っては伏兵の羽月隆太郎内野手(23)が昨年9月17日以来の長打となる適時二塁打で先制点をたたき出し、相手先発の柳から22イニングぶりの得点を奪った。

 九里は立ち上がりから驚異的な粘りを見せた。初回は1四球で無失点に抑えたものの、3人をフルカウントにして28球を要した。4、6、7回と3度も先頭打者に出塁を許したが、いずれも併殺打に料理。7回までスコアボードに「0」を並べた。先発投手が勝ち投手となるのは2日の中日戦での森下以来で13試合ぶり。蓄積疲労から今季10勝で勝ち頭の床田が16日に出場選手登録を抹消されるなど厳しい台所事情の中で、2021年の最多勝右腕が意地を見せた格好だ。

 8回は島内が一死一、二塁のピンチを背負いながらも大島の一直で二走のブライトが飛び出して併殺に。今季37ホールドで2016年にジャクソンがマークした球団のシーズン最多ホールドに並んだ。9回は栗林が締めて8月22日のDeNA戦以来となる零封勝ちだ。

 打っては苦手な柳も攻略した。8月13日には9回無安打無得点、前回3日も7回途中まで無得点に封じられたが、この日は6回二死一塁から風穴を開けた。「2番・二塁」でスタメン出場の羽月が「後ろの小園が当たっているし、なんとかつなぐ意識でいきました」とカウント1―1からの3球目、142キロの内角低めへの直球を右翼線へ。一走の秋山が一気に陥れて先制点をゲット。さらに送球間に小園がしぶとく三遊間を破って突き放した。

 9回には一死一、三塁の好機で売り出し中の田村がボールをよけようとした際に左手小指を負傷(記録はスイング)してベンチへ退くも、カウント2―2から代打で出た末包が左前にはじき返してダメを押した。菊池、西川、野間、床田と投打の主力が相次いで離脱する中、価値ある快勝となった。