やはりCS出場を目指すDeNAにはこの男が欠かせない。台風の影響が心配された8日のヤクルト戦(横浜)で先発したDeNA・平良拳太郎投手(28)が7回4安打1失点(自責0)の快投を披露。今季4勝目こそ逃したものの、チームは2―1でサヨナラ勝ちを果たし、自身の力投が劇的勝利を呼び込む形となった。
平良は8年目の2021年、右肘内側側副じん帯再建手術(TJ=トミー・ジョン手術)を受けて戦線離脱。今年4月5日に2年のブランクを経て古巣の巨人戦(横浜)に先発し、6回4安打無失点でチームの開幕連敗を4で止めた。
三浦監督は「手術する前よりボールに力が出てきた」と10年目右腕を絶賛。「制球力も上がって(伊藤)光のリードに応えて、ストライクゾーンの四隅にきっちり投げ分けている。真っすぐで空振りをとれているのも大きい」という。
平良自身は手術の効用についてこう言った。
「手術をして自分の体をよく知らないといけないと思った。野球をやっていてなぜケガをしてしまうのか、しっかり考える意識を持って練習や試合に取り組めています」
そんな平良はプロ最初の3年間(14~16年)、巨人に在籍。当時の一番の思い出は16年、岡本和真内野手(27)とともにプエルトリコのウインターリーグでプレーしたこと。今年も巨人戦の前には、岡本和と昔話に花を咲かせている。
「当時のプエルトリコの選手が今、監督やコーチになっていて、WBCで対戦したそうです。岡本に投げる時はホームランを打たれちゃいけない。その前にランナーをためちゃいけないことを意識する。そうしていい投球をすれば、巨人への恩返しにもなると思います」(平良)
現在セ3位でCSの出場権を争っているのも、その巨人だ。これからも平良の右腕にかかる期待は大きい。