【赤ペン! 赤坂英一】球界には昭和時代から「小さな大投手」という称号がある。平成時代は167センチ、通算185勝、ヤクルト・石川雅規(43)がその代表格だった。

 そんな大先輩に続き、「令和版小さな大投手」に進化しつつあるのが170センチのDeNA・東克樹(27)。球速は平均140キロ台後半でも強気に内角を突き、変化球を交ぜて凡打の山を築かせる。4日現在、ハーラートップで自己最多の12勝、防御率2・18はリーグ3位、勝率8割5分7厘は断然のトップである。

 1年目の2018年には11勝で新人王に輝くも、以後4年間は左ヒジの手術もあって一軍定着すらできず。それが6年目の今季、いきなりキャリアハイの大活躍を見せている理由は何か。三浦監督の分析はこうだ。

「ボールの強さが戻ったのもありますが、一番はカウントの取り方がよくなった。何でもかんでもゾーンに集めたりせず、微妙なコースでファウルを打たせたり、真っすぐで空振りを取ったりと、カウントの整え方がうまくなって、自分に有利な投球ができてるんです」

 東自身もこう言った。
「今年は調子が悪い中でもしっかりゲームをつくるのが今季の課題でした。力でねじ伏せようとするんじゃなくて、全球種を散らして的を絞らせないようにする。それがきちんとできてると思う」

 そうした巧みな配球をアシストしているのが、今年からバッテリーを組んでいる山本祐大(24)。ドラフト9位で入団して7年目の苦労人だ。三浦監督はこう評価する。

「ボール球をうまく使ってますね。前の回でストライクをそろえ過ぎたと思うと、次の回はボール球をうまく散らしてる。祐大が低めに構えると、東もしっかり応える投球ができるようになった」

 勝ち星を積み重ねるにつれ、配球にも幅が出てきた。例えば巨人戦では岡本和のような一発のある打者とはゾーン内で勝負せず、四球で歩かせてもOK。「そういうことを祐大と話し合って、次の打者との勝負に切り替えている」と東は言った。

 東は最近、ヒーローとなってお立ち台に上がるたび、山本も呼び寄せて軽妙なトークを披露。試合後もファンを沸かせる「小さな大投手」は、今やチーム一のムードメーカーでもある。