大暴れの予感が漂ってきた――。第105回全国高校野球選手権大会(甲子園)第11日は17日に3回戦が行われ、第2試合は花巻東(岩手)が智弁学園(奈良)を5―2で下した。打線が16安打と活発で、投げては先発の2年生左腕・葛西が10安打を浴びながらも9回途中2失点。強打の智弁学園のお株を奪う攻撃と投手陣の踏ん張りで、10年ぶりの8強入りを決めた。準々決勝では夏連覇を目指す仙台育英(宮城)との東北勢対決が決定。勢いそのままに王者に挑む。

 役者が貫録を示した。高校通算140本塁打を誇る大会屈指のスラッガー・佐々木麟太郎が3安打1打点の活躍で打線をけん引。13日のクラーク国際(北北海道)戦では4打数無安打に終わっていたが、大事な一戦で主軸の仕事を果たした。4―1で迎えた6回二死一、二塁の好機で中堅へ痛烈な適時打。貴重な追加点を叩き出し、勝機をグッと引き寄せた。大会が佳境に入るのに合わせて調子を取り戻しつつある大砲は「前回は崩れていたが、今日はフルスイング、ベストなスイングができた」と確かな手応えを強調した。

 今夏は背部痛の影響もあって調整が思うように進まず、クラーク国際戦では暗中模索の中でノーステップ打法を試したが、結果も内容も乏しかった。父でもある佐々木監督の助言もあり、力強くステップを踏む本来の打ち方に戻したことがこの日は奏功。指揮官は「まだまだちょっと角度がつかない感じもある」と辛口だったが、主砲として打線をけん引する姿に「いいところで打ってくれたので、これからもチームのためにやってくれればいい」と目を細めた。大観衆のどよめきが起こる痛烈な打球を連発させ、相手を威圧する「怪物の怖さ」が戻ってきた。

 試合後「自分のことや将来のことは捨てて、勝てばいい」と最後の夏にかける思いを語った佐々木麟。次戦は仙台育英との対戦が決まり「自分たちも日本一を目指してやってきた。甲子園で東北勢と戦えることはワクワクする。チームも勢いがついてきたし、自分自身もベストを尽くして楽しんでプレーしたい」と高ぶる思いを隠せなかった。八戸学院光星(青森)と合わせて東北勢3校がベスト8に残るのは史上初。東北旋風が巻き起こる聖地で、高校球界屈指のスターは主役の座を狙っている。