プロ注目の好投手は一度もマウンドに上がることなく、甲子園に別れを告げた。専大松戸(千葉)の最速151キロを誇る本格派右腕・平野大地投手(3年)は16日、第105回全国高校野球選手権大会(甲子園)の3回戦・土浦日大(茨城)戦に初戦に続いてベンチから戦況を見守った。試合は6―10の逆転負け。4点差を追いかける9回に代打出場も、その右腕がうなりをあげる機会は最後まで訪れなかった。
試合後、絶対エースの登板回避について持丸修一監督(75)が理由を説明した。まず今大会の起用方針について「(甲子園で)投げさせるつもりはなかった」ときっぱり語った上で「やっぱりストライクが入らなかったんで。試合で使える状態ではなかった」と判断の経緯を淡々と明かした。
その上で「指先がしびれるということを6月ごろからしていたが、(それが制球難の理由かは)分からない。血行障害か何かあるのかなとは思ってはいたけど」とし、千葉大会から平野の起用を控えていた背景を語った。平野本人も少なからず不安を抱えた状態で甲子園入り。ヒジに起因している可能性もあっただけに「投げられないんだったら、余計に深みにハマってしまう」と指導者としての総合的な判断を下した形だった。
指揮官は平野と毎日状態を確認し、プレーヤーの意思を尊重してきた。「投げられないとは言っていないが、そういう(投げさせてほしいという)アプローチもなかった」と説明。その上で指導歴豊富な75歳の名将は「これからは本人が修正して、これからの人生は自分でやるしかない」と、そう遠くない将来に教え子が本来の輝きを取り戻すことを願った。
平野にとって高校生活最後の舞台が幕を下ろし、気になるのはその進路。プロも動向を注視してきた右腕は「(持丸)監督としっかり話をしてから」とした上で「今の力では(プロのレベルでは)戦えない。(大学進学を念頭に)4年間しっかり力をつけてから挑戦しようと考えています」と率直な心境を語り、高卒即プロ入りの意思が現時点ではないことを明かした。












