【赤ペン! 赤坂英一】バウアーがDeNAを力強く引っ張っている。交流戦は3勝負けなしで初優勝に貢献。25日には阪神との首位攻防戦を制し、0・5ゲーム差をひっくり返して一躍首位浮上の立役者となった。

 7回途中7安打3失点での降板は褒められた内容ではない。が、三浦監督は「あまり調子が良くない中で、しっかりとゲームをつくってくれました」と高い評価を与えている。

 25年ぶりのリーグ優勝を目指す上で最も重要なことは何か。そう質問されたバウアーはこう答えた。

「自分の気持ちをコントロールすることだ。優勝が近づいてくると、報道などでチームに外的要因が入り込む。そんなときこそ、自分のやることに集中することが大切。僕の場合は、ストライクを先行させることだね」

 そんなバウアーの影響はいまや、確実にチームに浸透している。今永は、バウアーの投球からこんなことを学んだそうだ。

「どんどん(ストライク)ゾーンに投げ込んでいくスタイルですね。逃げて四球を出すとか、ゾーン外に投げていては勝負も始まらない。まず打者にバットを振らせること。振ってくる恐怖から逃げないところに、バウアーから学ぶものがある」

 最近は、そんなバウアーに助言や意見を求める選手も増えた。当のバウアーもこう言っている。

「チームメートとは野球についていろいろな話をする。彼らから質問を受けて僕が答えるだけじゃなく、僕も彼らから多くのことを学んでるんだ」

 そう語るバウアーは、米国のトレーニング施設、ドライブラインベースボールのデータ分析や動作解析など、最新科学技術を駆使した調整法で実績を築いた。3年前には今永、京山もこの施設に自費で通っている。

 メジャーリーグでは、バウアーの活躍が契機となり、ドライブラインの理論や技術を球団ぐるみで導入するチームも増えている。その最大の成功例がア・リーグ優勝争いの常連アストロズだ。

 そうした経緯を詳細に紹介し、バウアーも登場するルポ『アメリカン・ベースボール革命』(邦訳・化学同人)は米国でベストセラーになった。

 同書によると、ドライブラインの科学的調整法が浸透するにつれ、米国ではアナリストや大学出の指導者が増加。そのため、元選手で昔気質のコーチやスカウトが大量に解雇されているという。

 そんな革命の波は近い将来、日本球界全体に及ぶ可能性も出てくるだろう。そういう意味からも、今後もバウアーの活躍から目が離せない。