【赤坂英一 赤ペン!!特別編】2432安打の記録を持つプロ野球界のレジェンド・石井琢朗氏(現DeNAチーフ打撃コーチ)の次女で、女子テニスのさやか(17)がプロ転向を表明した。20日、横浜市内で行われた記者会見では、「目標はグランドスラムでの優勝」と宣言。超異例の〝2世選手〟の活躍は、世界的にも大いに注目を集めそうだ。
さやかは5歳で競技を始め、9歳で全豪、全英オープンを観戦してプロを目指そうと決意。小3から海外遠征を行い、2019年には全国選抜U14を優勝と、数々の輝かしい戦績を挙げてきた。1月の全豪ジュニアでは単複ともにベスト4に勝ち進み、ジュニアランキングも自己最高の8位。今後は医療・ヘルスケア会社「ユニバレオ」所属となり、専属コーチとトレーナーも付く。
「いままでは元プロ野球選手のお父さん(琢朗氏)の娘が石井さやかと言われてきましたけど、これからは石井さやかの父親はプロ野球選手だったんだと、そう言われるようになりたいと思います」
さやかにそう言われた父の琢朗氏は、会見場で娘の隣に座り、終始緊張の面持ち。神妙な表情で報道陣にこうあいさつした。
「きょうはWBC一色の中をお集まりいただき、ありがとうございます。正直言って、娘より緊張しております。34年前の大洋ホエールズ(現DeNA)の、自分の入団発表会見を思い出しました。あのときの両親の心境が、今の僕の心境なのかなと、感慨深い気持ちです」
そんな琢朗氏はアスリートの先輩としてさやかに何を教えてきたのか。「技術的なことはわからない」と言いながらも、娘のメンタルの強化には常に心血を注いできた。
さやかが13歳だった18年秋、琢朗氏はこんな訓示を書いた紙を、娘の部屋の壁に貼りつけた。
「意識の差は進歩(技術)の差」
「練習は基本の反復」
「勝つ、ポイントを取るという結果は一つだが…(中略)手段、方法は幾通りもあると思え!」
「意識が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる…」(以下略)
ちなみに、さやかが一番印象に残っている父の言葉は、「おい、あくま」だったそうだ。
「『お』は怒らず、『い』は威張らず、『あ』は焦らず、『く』は腐らず、『ま』は負けるなという意味です。帽子の裏に、その言葉を書いてました。試合中にそれを見たりしたことが、力になっています」
実は、そうした名言、箴言(しんげん)の数々は、琢朗氏が12年にコーチとなって以来、野球の指導の際に選手にかけている言葉でもある。そんな父の熱い思いと薫陶を受けてきたさやかが、憧れのグランドスラムで優勝するのはいつの日だろうか。









