Tリーグで得た学びとは――。卓球女子シングルスで日本勢最高位の世界ランキング5位につける張本美和(17=木下グループ)は、Tリーグの木下アビエル神奈川に在籍。今季は国際大会を転戦しつつ、2年連続3度目の優勝に貢献した。多忙なスケジュールの合間を縫って、Tリーグにも出場する狙いはどこにあるのか。単独インタビューに応じた全日本女王には、2つのモチベーションが隠されていた。

取材に応じた張本美和(奥)
取材に応じた張本美和(奥)

 今季も張本は多くの国際大会に出場。過密日程で疲労を心配する声があった中でも「(日本に)帰って来られる時は絶対にTリーグの試合にも出たかったし、チームも自分を必要としてくれているのはすごくありがたかった」と積極的に参戦。その裏には、大きなエネルギー源があった。

 国際大会は個人戦が中心だが、Tリーグはシングルス3試合、ダブルス1試合を行う団体戦に近い構図で行われる。張本は「Tリーグで先輩方と一緒に戦うのはすごく楽しい。負ける時もあるが、チーム一丸となってつかむ勝利は、すごく意味がある。シングルスで勝った時とは違ううれしさがある」とモチベーションになっている。

 また、海外でプレーする機会が目立つ張本にとって、Tリーグは国内のファンに雄姿を届けられる貴重な場だ。「全日本(選手権)以外だと、Tリーグなどでしか(日本で)戦う姿をお見せする機会がない。ファンの皆さまの前で試合ができることがすごく幸せで、当たり前ではないと、いつも実感しながら試合をしている」。アウェーの試合にも足を運ぶファンの存在は「相手のホームで押し潰されそうな中でも、声を出して応援してくださって原動力になっている」とパワーをもらっているという。

張本美和にとって、先輩・平野美宇は大きな存在だ
張本美和にとって、先輩・平野美宇は大きな存在だ

 張本の活躍などもあり、神奈川は初の連覇を達成。強さの秘訣について張本は「良い意味でも悪い意味でも、結構自由なところが強み」と分析する。主将を務める平野美宇の存在が大きく「平野さんはどちらかというとしゃべるタイプではないけど、行動で示してくれる。練習の中でも、一番集中しているのは平野さんだった」と、背中でチームをけん引する姿が印象に残っている。

「私はしゃべりたくなるタイプだが、平野さんを見て自分も口を閉じるようにしていた。もっともっと、私も学ばなければいけないと感じた部分もたくさんあったので、しっかり練習することができた」と刺激を受けている。

 その張本は世界のトップを目指して心技体を磨く日々。2018年に〝世界最高峰〟を目指し、スタートしたTリーグでの戦いを通じて「よりそこに近づけられるように、自分自身も成長できたら」。目標の実現へ、さらなる高みを見据える。

まだまだ進化は止まらない
まだまだ進化は止まらない

 ☆はりもと・みわ 2008年6月16日生まれ。宮城県出身。両親の影響で卓球を始めると、幼少期から国内外の大会で活躍した。22年からシニアの国際大会に参戦。24年パリ五輪は団体戦で銀メダルに輝いた。26年全日本選手権ではジュニア、シングルス、ダブルス、混合ダブルスで優勝を果たし、史上初の4冠を達成。好きなキャラクターは「マイメロディ」(サンリオ社)のライバル「クロミ」。兄は張本智和(トヨタ自動車)。身長166センチ。