テニスの4大大会が物議を醸したシステムに対する措置を講じ、話題になっている。

 1月の全豪オープンでは、女子のココ・ガウフ(米国)が準々決勝で敗れた後、観客の目が届かない舞台裏まで移動した上で、感情を爆発させラケットを床に7回もたたきつけた。しかし、この様子が大会設置のカメラに収められ、中継にも映し出されてしまった。

 カメラがないと思われた場所を選んで感情的な行動をしただけに、選手のプライバシーについて大きな議論を呼んだ。イガ・シフィオンテク(ポーランド)は「私たちはテニス選手なのか、それとも動物園の動物なのか?」と批判。ノバク・ジョコビッチ(セルビア)は皮肉を込めて「シャワーを浴びているときにカメラがないことに驚いた」と語るなど、選手やファンからも苦情が寄せられた。

 4大大会の残る3大会については、全豪の反省点を生かすようだ。英紙「サン」によると、5月末からの全仏では、バックステージに追加のカメラは設置されない。トーナメントディレクターで元ウィンブルドン王者のアメリ・モレスモ氏は「選手のプライバシーを尊重したいと思っている。今年は追加カメラの変更はない」と回答し、ウィンブルドンと全米オープンの広報担当者も同じ姿勢だという。全米テニス協会のブレンダン・マッキンタイア氏は「選手がプライベートな空間を確保するため、カメラアクセス禁止のエリアが設けられる」と、さらに踏み込んだ配慮がなされることになった。

 人生を左右する大会でプライバシーが保持されることは、選手にとっては朗報と言えそうだ。