DeNAが交流戦で球団史上初の優勝を飾った。優勝の可能性が残されていた楽天が20日のヤクルト戦(神宮)で敗れ、勝率と得失点差でDeNAの首位が確定した。交流戦最終戦の19日・日本ハム戦(横浜)は引き分け以上ならば自力Vを決めることができたが、延長戦の末に逆転負け。それでも交流戦前には6ゲームあった首位・阪神との差を2・5にまで縮めるなど、大収穫の戦いだった。そんな交流戦の〝裏MVP〟に、球団内からはあの男の名が挙がっている。
1998年にリーグVと日本一を達成して以来、12球団で最も「優勝」の2文字から遠ざかっているDeNAにとっては久しぶりの美酒だろう。交流戦18試合を11勝7敗、勝率6割1分1厘で終了。勝率でソフトバンク、巨人、オリックスと並ぶ大混戦となったが、TQB(トータル・クオリティー・バランス=得失点率差)で他の3球団を上回り、DeNAが球団史上初の栄誉に輝いた。
交流戦を貯金4で終え、それまで独走ムードだった首位・阪神の追撃態勢も何とか整った。三浦監督は「レギュラーシーズンに戻ってもチーム力というのはついてきていると思う」と前向きに総括しており、手ごたえを感じ取っている様子だ。
交流戦初Vの立役者は誰なのか。球団関係者の一人は「数字以外の貢献度も考えれば…」と前置きした上でトレバー・バウアー投手(32)の名を出した。バウアーは交流戦で3試合に先発し、3勝0敗、防御率1・50、WHIP(イニング当たりの与四球+被安打数)0・75。交流戦成績では勝ち星、WHIPともにエースの今永を上回ってチームトップを堅持し、防御率も先発陣の中では同じく3試合に登板した大貫の0・98に次いで2番目に低い数値に抑え込んでいる。こうした成績面だけでなく、バウアーはマウンド以外でもプラスアルファの効果をチーム全体に与え、大きく〝貢献〟しているという。
「一番のターニングポイントは前回登板(14日・本拠地での日本ハム戦)の時だった」と前出の関係者が振り返ったように、この日は試合前に米全国紙「USAトゥデー」がバウアーの新たな性的暴行疑惑が表面化したと大々的に報じたことでチームにも大きな衝撃が走った。
ところが当日に先発登板したバウアーは動揺するどころか9回113球、3安打1失点で来日初完投を果たし、今季4勝目をマーク。「普通の神経の持ち主なら、あんなスキャンダルを出されたらどうしてもマウンドに影響が出てしまう。それでも逆に彼は報道されたことに対する抗議の意味も込めつつ、それを怒りのパワーに変えて驚くような快投に結びつけた。あの闘志にチームが引っ張られた部分もあると思う」(同関係者)と、米全国紙のスキャンダル報道を糧に快投を見せたバウアーが、チームに勢いをもたらせたという。
それだけではない。バウアーは時折、チーム内にハンディカメラを持ち込んで自らのユーチューブ公式チャンネルの動画撮影とリポートを行っているが、ピリピリムードが漂う14日の試合前も球場にビデオカメラを持参。はた目には空気が読めない行為のようにも映るが…。
「アンチの人たちからは『本当はチーム内でウザがられているんじゃないか』とうがった見方も向けられているが、実は選手たちからの評判はすごくいい。周りはバウアーの破天荒で型破りな性格と行動を楽しんでいるところがあって、それもチーム内にいいムードを作り出す要因になっている」(前出関係者)
20日のイースタン・ヤクルト戦(平塚)で調整登板したバウアーは4回60球、2安打無失点と快投。中4日で25日の直接対決・阪神戦(横浜)で先発する可能性もあるだけに、再開するリーグ公式戦でも阪神追撃のキーパーソンとなりそうだ。
【MVP候補】3勝を挙げているバウアーは勝利と奪三振31で投手2冠に輝いており、DeNAの投手陣ではMVP候補筆頭といえる。一方、打者では牧が挙げられる。打率は3位の3割8分をマーク。2本塁打、13打点は特出した数字ではないが、得点圏打率4割と勝負どころで快音を響かせ、チームを勝利に導いた。また、打率3割4分5厘、4本塁打、15打点の宮崎はロッテ・佐々木朗に今季初被弾を浴びせる一発を放ち、強烈なインパクトを残した。
DeNA以外での有力候補は巨人の岡本和とソフトバンクの近藤。8本塁打、19打点がいずれもトップの岡本和は打率が3割8分2厘で2位となり、3冠はならなかったが、スラッガーぶりをまざまざと見せつけた。そんな巨人の主砲の3冠を阻止したのが近藤で、打率は4割1分3厘と唯一の4割超えを果たし、5本塁打、15打点と活躍。ヤクルトが初優勝した2018年にはオリックスの吉田(現レッドソックス)が優勝チーム以外から交流戦MVPを受賞している。










