〝イケおじ〟も奮闘中だ。一時は最下位にまで沈んだ巨人が交流戦で巻き返し、貯金3としてリーグ3位まで盛り返した。要因はさまざまだが、今季から打撃部門を担当する亀井善行打撃コーチ(40)も〝黒子〟としてチームを支えている。結果がすべての世界で、新たな役割とどんな思いで向き合っているのか。その胸中に迫った。
交流戦は最後こそ2連敗で終えたが、反撃態勢が整いつつある。3、4月は投打ともに低迷。借金は最多6まで膨れ上がり、最下位にも転落した。5月に入っても勝率5割を行ったり来たりの繰り返し…。だが、交流戦から投手陣が徐々に安定し、期間中のチーム防御率は3・00。打線もチーム打率2割7分4厘、1試合平均が約4得点となり、ついに歯車がかみ合い始めた。
そんなチームを下支えする一人が亀井コーチだ。2021年限りで現役を引退し、昨季は外野守備走塁コーチを担当。今季から大久保打撃チーフコーチの下で指導に当たる。「打線は水物」と言われるだけに、当然浮き沈みはある。思うように得点できず負けることもある。
亀井コーチは「責任を感じますね。やっているのは選手ですけど。僕が現役の時に『選手のほうが楽だよ』って言うコーチがいっぱいいて『何言ってんだよ』と思っていました。もちろん選手も大変なんですけど『絶対、コーチのほうが楽でしょ』って。でも(実際に経験すると)疲れ方が違いますね。毎日頭も痛い。(プレーするほうが)全然楽っすね」と笑顔で頭をかいた。
自分が打席で打てなければ結果も受け入れやすい。しかし、コーチは選手の性格や個性、特長に合わせて適切な助言を送り、試合に送り出す立場。選手やチームの結果が伴わなければ、正解のない指導法が正しかったのかどうかを自問自答するしかない。特に、打撃は日々の勝敗に直結するだけに葛藤も少なくないようだ。
交流戦の開幕戦となった5月30日のロッテ戦(ZOZOマリン)では、試合前のミーティングで自ら口を開いた。
「調子が悪いなりにも先頭打者は塁に出る努力。走者が出たら進める、つなげる努力。得点圏に行ったらかえす努力。もう一度、各自工夫しながら1点でも多く取りにいこう」
あえて指示を徹底させたのは、長年の経験で培われた〝嗅覚〟からだった。直前の阪神戦ではつながりを欠いて3連敗。亀井コーチには「ズルズルといきそうな嫌な流れが見えた」という。結果的に連敗はその試合まで続いたが、言うべきタイミングや内容には常にアンテナを立てている。
「寝られない時もありましたけど、酒飲んで寝てますよ(笑い)。体に悪いので、お酒の力に頼るのはダメなんですけど…。点を取ってくれるとホッとする。勝つことが一番。勝ってくれれば何でもいいです」
今季の一軍メンバーには秋広や中山ら若手も多い。良き兄貴分、指導者としての勉強を重ねながらV奪回の一助となるつもりだ。












