改めて実力を証明した。ソフトバンク・有原航平投手(30)が13日のヤクルト戦(神宮)で6回1失点と好投し、移籍後初勝利を飾った。米大リーグ挑戦を経て、今季から3年ぶりに日本球界に復帰。NPBでは954日ぶりとなる白星を挙げた。打線が11安打、3本塁打で援護し、チームは5―1で快勝。開幕投手を務めた大関、チームトップ5勝の藤井が戦列を離れる中、救世主が登場した。

 序盤は制球に苦しんだ。縦の変化球が操れていないと判断すると、打者の手元で変化するツーシームで要所をしのいだ。確かな技量が詰まったNPB通算61勝目だった。「自分の中で特別な1勝。出遅れた分、これから貢献したい」。新天地デビューはわずか1週間前のDeNA戦。大関の体調不良による代役で巡ってきた出番で、7回途中1失点(自責0)と好投した。

 大一番やチームの窮地に強い――。そんな真骨頂は、高校時代から有名だった。広島の名門・広陵高出身。学生野球資格を回復し、中国地方の高校野球事情に詳しい元ソフトバンクヘッドコーチの達川光男氏は「ギアが上がった時の有原は別人。当時、県下の指導者はここぞで泣かされてきた」と〝有原伝説〟を語る。有原は高3夏、県大会決勝完封、甲子園初戦で自己最速をマーク。「そういうタイプの選手はいる。実力があるからできる芸当」(達川氏)。

 斎藤学投手コーチは「使う方としてはありがたいし、ある程度計算してやってもらえる」とカード頭の好投をたたえ、今後の快投にも期待を寄せる。わずか2試合で「先発の柱」を担う力量を証明した有原。取り巻くチーム事情、性格的にも腕をぶしているはずだ。