新日本プロレスの内藤哲也(40)が、真夏の祭典「G1クライマックス」(7月15日、札幌で開幕)の改革に疑義を唱えた。昨年大会同様に4ブロック制で行われる今大会は、昨年を上回る史上最多32選手が出場。さらに試合時間は例年の30分1本勝負から20分1本勝負になった。内藤は一連の変更劇について、大会のコンセプトに反する〝改悪〟の可能性があると問題提起する――。

 今大会の出場選手は4日大阪城大会、ブロック分けは10日幕張大会でそれぞれ発表され、内藤はDブロックにエントリー。各ブロックの上位2人が準々決勝(8月10日、船橋)に進出する新システムのもと、6年ぶり3度目の頂点を狙う。

 しかしその一方で、今年のG1の〝仕様変更〟には疑問を投げかける。まずは出場選手の数だ。昨年の28人からさらに4人増え史上最多を更新したが、内藤は「多すぎる」と指摘。「すべてを否定する気はないです。いろいろな選手にチャンスをっていう意味ではいいかもしれないですけど、俺の中でのG1クライマックスのイメージは、選ばれた選手のみが参加できる最強戦士決定戦。個人名までは出しませんが、さすがにこの選手は優勝争いに食い込めないでしょって名前も入っているので」と斬り捨てた。

 そもそも大会名の「グレード1」は、競馬の最高峰レースに由来。第1回大会(1991年)は精鋭ぞろいの8選手で行われた。ついに4倍に膨れ上がった出場枠について「増やしたい理由でもあるんですかね? ないのであれば、微妙なラインの選手は出場者決定戦をやるとか…。競馬でもそうですけど、条件をクリアした選手のみがエントリーできるのが『グレード1』にふさわしいリーグ戦になると思うので。今の方向はちょっと賛成はできないですね」と持論を展開した。

 さらに大きな変更点が、第1回大会から続いていたリーグ戦の試合時間が30分から20分1本勝負となったことだ。昨年大会では公式戦全84試合中14試合が決着に20分以上を要しており、30分も必要ないという理論は成り立たない。団体からの明確な理由説明もないため、「なぜ変更なのか説明が欲しいですね。20分1本勝負をこれだけ大々的にやってしまったら、15分1本勝負のTV王座の特別感もなくなってしまいますし」と疑問を呈した。

 出場枠の拡大に伴い、リーグ戦の全公式戦数も112試合に激増している。過酷な日程を考慮し選手の肉体的負担を減らす意味合いの可能性もあるが、「だとしたら、やっぱりそもそもの人数を減らそうよって話ですよ。それに一人あたりの試合数に関しては(2ブロック時代よりも)少なくなってますから。人数を増やしたから時間を減らすでは、減らす方を間違えてる気がします」。

 単純に大会や試合の時間を短縮する狙いだとしても、いきなりルールそのものを変更するのは道理に反するというのが内藤の考えだ。

「試合時間短縮って他のスポーツでも言われてて、野球だとピッチクロックが導入されてますよね。そういった工夫もせず、短くしたいからツーアウトでチェンジに変えようとはならないわけじゃないですか。新鮮味はあるかもしれないし、試合時間が短い面白さもあるのかもしれないけど、何の説明もなく根本的なルールを変えたら、本来のG1の面白みは欠けてしまう危険性はありますよね」と警鐘を鳴らす。

 これまでも伝統と革新の調和で一大ブランドとなったG1。「決まった以上、やってみてお客さまがどう思うかですから。ただ、変化することは大事だと思いますけど、その方向性が違う気がしますね」と内藤が指摘するように、祭典の今後を大きく左右する大会になるかもしれない。