素質の塊が片りんをのぞかせた。西武は7日の中日戦(ベルーナ)に2―1で松井政権下初のサヨナラ勝ちを収めた。ヒーローは9回にプロ2号となる値千金の一発を左翼席に叩き込んだ育成出身3年目・長谷川信哉内野手(21)。「ファームでは一度(サヨナラ本塁打を)打っているんですが(喜びは)全然違います。チームの勝利に貢献できたことは、自分としてもチームとしても大きい」と声を弾ませた。

 2020年の育成ドラフト2位で入団した長谷川を21年の二軍監督時代から指導してきた松井監督も「ああいうところで結果を出せるって、持っているんですね。ファームの時からよくそういう打席を見ましたし、ここという時の勝負強さがある」と感心しきり。そんな若獅子に指揮官が期待するのは、自身も現役時代の02年に達成しているトリプルスリーだ。

「あの足があって、バッティングも魅力でしたし、練習できる体力もある。その中でしっかりと段階を踏みながら結果を出してきたし、去年は終盤の代走だったりいろいろな経験もしてきた。数少ないチャンスでああいうものを見せてくれると次に期待したいと思える」と言う。

 松井監督が打率3割3分2厘、36本塁打、33盗塁で史上8人目、スイッチヒッターとして史上初の偉業を成し遂げたのは27歳シーズンだった。年齢的に〝あと6年〟の猶予がある長谷川は「まずは打率から残していかないといけない。まずヒットを打つことから覚えて、その中でたまにホームランが打てればいい。それが数年後、コンスタントに出せるように」と足元を見つめながら、指揮官の残した足跡を追う。